フッティルーテンの終着点、ロシア国境から７ｋｍの森に囲まれたのどかな町ヒルケネスを紹介します。鉄鉱石の露天掘りで繁栄したまちで、辺境のイメージとは裏腹に町の中心はモダンな感じです。最近では最果ての地のミッドナイトサンを体験するために、観光客が多く訪れています。

町の中心部には、広場を囲むようにホテルやスーパー、銀行などが建ち並んでいますが、その中に、第２次世界大戦中に市民の命を守ってくれた防空壕跡（アナースグロッタ）もあります。第２次世界大戦中ヒルケネスは独ソ軍により戦場にされ、300回以上も空襲を受けました。町は焼き払われましたが、人的被害はそれほど多くでませんでした。それは地下壕が用意されていたおかげです。現在その一つが一般に公開され、ツアーで見学できます。壕内ではヒルケネスの歴史に関する上映もあり、町の歴史や、戦災から復活していった様子が伺えます。

中心部から坂道になったソルヘイムスベイエン通りを上がった先は小高い丘になっており、中腹にはグレンセランド博物館があります。グレンセランド博物館は、ノルウェーとフィンランド、ロシアの国境が入り組んだ、このエリアの複雑な文化と歴史、自然を紹介する博物館です。ヒルケネスからロシア国境に向けて北へ進むと、海に突き当たるところに集落があります。この集落には、小さな教会、キングオスカル教会があり、ここから国境の向こう側のロシアが見えます。


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