Ainola


第二次大戦が終結し、フィンランド国内でソ連からの独立の機運が高まり始めた19世紀後半から20世紀半ばにかけて、フィンランドの自然や神話などをモチーフにした美しく神秘的な作品を数多く残したことで知られる作曲家ジャン・シベリウス。



彼のファンにとってフィンランドでのいわば”聖地”が、30代の後半ごろから死去するまで家族と住み続けていた彼の自邸です。
一時スランプに陥って創作活動が停滞して追い詰められていたシベリウスを助けるため、妻のアイノたちが、それまで住まいとしていたヘルシンキから静かな郊外へと引越しを決めます。
1904年にヤルヴェンパーというヘルシンキから35kmほどはなれた美しい片田舎に広大な土地を購入し、大きなログハウスへと転居を果たします。
内装や後に増設されたサウナ用の小さな小屋は妻・アイノや親友の芸術家ガッレン=カッレラによる肖像画や風景画、イタリア製のシャンデリアやオランダ製の暖炉なども設置され、再び彼に創作のモチベーションとなりました。

家自体は建てられてから時間が経ってはいますが、その周りの森や野原の風景は全く変わっていないそうです。

最後に、もう感のいい方は察したかもしれませんが、彼自慢の新しい自邸は、最愛の妻の名にちなんで”アイノのいる場所”の意味する〈アイノラ/Ainola〉と呼ばれるようになり、その名前は現在も定着しています。サウナ小屋の後ろには彼と彼の妻が2人、仲睦まじく並んで眠っています。

彼も眺めて過ごした、のどかで素朴な自然の中であまたある彼の作品に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

<情報>
■Ainola(アイノラ) 
住所:Ainolankatu, 04400 Järvenpää, Finland
TEL:+358 9 287322
チケット料金(2017年度):8€(5-9月中のみ内部公開) 

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