「私達の貴婦人ーノートルダム大聖堂」を想う


 このブログをご覧になっているフランスに興味がある方、フランスが大好きな方々…先日のノートルダム大聖堂の火事、尖塔消失のニュースに心を痛めていらっしゃる方が多いことと思います。私も日本人なもののその喪失感はなんともいえず、皆さまの悲しみに寄り添いながら、記事をお届けします。



パリのノートルダム大聖堂は、1163年に着工、1345年に完成しました。着工は、日本では鎌倉幕府ができる以前と考えるとその歴史の重みを感じます。170年に及ぶ建設期間を経てカトリックの総本山として誕生し、国民だけでなく世界中の人々に長年愛され親しまれてきました。礼拝に通う地元の人々はもちろん、年間の観光客は1300万人、これも日本と比較すると、スカイツリーは年間400万人ですから、どれほど人々を惹きつけてやまないかが分かります。

1991年には「パリのセーヌ河岸」という位置づけで世界遺産に登録されました。印象深いのは、パリのどの方向から見ても美しい教会のフォルム、そして巨大な内部空間を満たすステンドグラスの数々です。特にステンドグラスの「バラ窓」は有名です。


ノートルダム大聖堂のステンドグラスの窓。光の反射が美しい。

最新のニュースでは、中にある文化財や美術品は消防士達によって外に無事に持ち出されたそうで、その辺りは日ごろの訓練の賜物と安堵しています。とはいえ、90mのあの尖塔が焼け落ちてしまい、今度パリに行って会える時は元通りの美しい姿ではありません。

ニュースで心に残ったのは、燃えるカテドラルを見守りながら讃美歌を歌っていたパリ市民の姿でした。誰かが「ノートルダム大聖堂は永遠のものだと思っていた」と言っていました。私もまったく同じ思いです。何百年もの歴史ある建物が自分の生きている間に形が変わってしまうとは想像していなかったのです。急に大事な人を失った時に「今思えば、会えるのはあの時が最後だった!」と悔やむ瞬間と同じように大聖堂に行った日を思い出し、その美しい姿を偲んでいます。

ノートルダム大聖堂を完全に失った訳ではありません。でも、自分も歴史的な建造物との一期一会をもっと大切にしたいですし、そういった旅行をお届けできたらいいなあ…と思っています。ノートルダム大聖堂とフランス文化を愛する人々にお見舞いと1日も早い復興を心からお祈りしています。


ノートルダム大聖堂内部に灯るろうそく










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