宮殿のシャンデリアを手掛けたのはオランダの若手アーティスト、ハンス・ファン・ベンテムです。彼はハーグの王立美術アカデミーを卒業した後、陶磁器、ガラス、ブロンズなど様々な素材を使ってアート作品を作り、人気を集めています。
エッシャー美術館では、吹き抜けや各部屋に彼の制作した15基のシャンデリアが飾られ、エッシャーの絵画をより引き立て、不思議な空間を生み出しています。
これは、空間全体を一つのアート作品とする「インスタレーション」という手法です。音楽や映像、彫刻、照明などを利用して、その場にいる人が空間全体をアートとして体験できます。ベンテムはエッシャーの不思議な世界観を最大限に尊重しつつ、美術館となっている宮殿自体を迷宮のように作り上げています。
シャンデリアのモチーフはドクロや鳩、タツノオトシゴ、傘、パイプや花瓶など多岐に渡ります。特に引き付けられるのが鏡の前に設置されたツノがいくつも飛び出た球体(?)のような形をしたシャンデリア。鏡が向き合うようにあるのでシャンデリアが連続的に繋がって鏡の中に迷い込みそうな錯覚に襲われます。
エッシャー展が今後日本で開催されても、このシャンデリアまで遠征してくることは難しそうです。是非ともハーグでエッシャーの絵画とベンテムのシャンデリアとのコラボを体感してみてはいかがでしょうか。
☆エッシャー美術館を含む関連ツアー
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