オランダでは、19世紀の初頭、アールヌーボーが時代遅れとなっていき、変わって新しい芸術運動が広まっていきました。モンドリアンを中心に垂直性、水平性、単純性、白と黒及び原色を用いることなどを追及した表現様式を目指した「デ・スタイル」です。
写真の椅子は「デ・スタイル派」の建築家リートフェルトがデザインした、赤と青の椅子。赤い背もたれに青い座面、原色のシンプルな色使いも趣もどこかミッフィーさんを思い出させます。この椅子は今でもとても人気のある作品です
リートフェルトがこの椅子の原理を発展させてつくったのが、ユトレヒトにあるシュローダー邸です。この家は、デ・スタイルの理念を代表する作品で世界遺産にも登録されています。「人間の創造力が生み出した傑作」であり、「西洋建築の歴史上の重要かつユニークな象徴」であることが登録の理由だそう。
現在、この建物はミュージアムとして開放されています。外観だけでなく、内部のからくりのような間仕切りや素朴さの中にある住まいの工夫を見学することで世界遺産に登録された理由に納得できるはずです。食堂や寝室などは全て引き戸で日本の建築にも影響を受けています!
ユトレヒトにある一番大きな博物館、セントラル・ミュージアムはリートフェルトの作品やデザインが多数展示されていて、ディック・ブルーナさんのアトリエを再現した部屋もあります!デザインというと北欧を真っ先にイメージしますが、オランダのシンプルでユニークなモダンデザインの美学は、シンプルさを愛する日本人の心を鷲掴みにするかもしれません。
単純でそぎ落とされた表現の中にそのものの本質があることをユトレヒトでいつもミッフィーさんやリートフェルトが気づかせてくれます。
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