オランダ北部フリースランド州に佇むこの村は、17世紀に貿易で栄えました。現在は人口800人程が住む小さな村です。運河にかかる木製の橋や古くから続く石造りの建物、オレンジ色の屋根など、童話の中にいるような風景が広がります。ここでは手書きの草花を雑貨や家具などに絵付けする「ヒンデローペン塗り」という伝統工芸が今も大切に受け継がれています。
この草花模様、どこかで見覚えがある!という方も多いことと思います。オランダ駐在員のご婦人達が帰国と共に日本にその技を持ち帰り、トールペインティングとして知れ渡るようになりました。トールペインティングのおしゃれな表札、日本でも見かけますよね!
こちらは、ヒンデローペン塗りで彩られたアンティークのタイルです。花や鳥、つる草の模様などオランダの土地固有の文化から生まれたその美術は派手さはないものの人々の気持ちを癒す色使いですね。トールペインティングはアメリカを中心に色鮮やかなものが多いですが、ヒンデローペン塗りは少しおさえめの色合いが特徴です。
ヒンデローペン博物館公式HPより写真抜粋
ヒンデローペン塗りは一般住宅の窓辺などにも描きこまれていますが、室内の装飾や雑貨もご覧になりたいという方は、現地にヒンデローペン博物館があるので、是非足を運ばれてはいかがでしょうか。地域の民族衣装なども展示されていて、村の歴史や生活を知ることができます。
ヒンデローペン博物館公式ホームページ➡MUSEUM HINDELOOPEN 英語、オランダ語
ヒンデローペン塗りはフォークアート(民衆芸術)とも言われます。一般の人々が日常生活を楽しむために、身の回りのお皿や生活雑貨などに彩った芸術です。貴族達の宮廷美術よりも等身大の自分らしく、スパイスをほんの少し加えて心豊かに生活するための知恵が詰まっています。
ヒンデローペンの他にもオランダ北東部には、まだ日本人にはあまり知られていない美しい村や町がありますので、ご興味のある方は、是非下記のツアーをご覧ください。
☆オランダ北東部ヒートホルンを訪れるツアー
*オランダの自然を訪れる5日間~クレラー・ミュラー美術館&ヒートホルン~