緑のワイン


皆さんはポルトガルのワインと聞けば、どんなワインを思い浮かべますか?

ポルトで熟成されたポートワイン?それともマデイラワイン


もちろんその2種類は共にポルトガルを代表するワインですが、それらに加えて最近だんだんと注目されつつあるポルトガル発のワインが”ヴィーニョ・ヴェルデ(Vinho Verde)”です。ポルトガル国内では昔からビールの代わりとして親しまれてきたワインで、近年ワインをより気軽に楽しみたいという声を受けて、15年ほど前から日本にも輸出が開始されました。


今回のブログでは、簡単に産地や特徴についてご紹介したいと思います。


そもそも”ヴィーニョ・ヴェルデ”とは、ポルトガルとスペインの国境地帯を流れるミーニョ川流域のワイン産地です。この地のワイン造りの歴史は古く、記録に残っている一番古い記述が紀元前のローマだというのだから、少なくとも2200年はぶどうを栽培している、ポルトガル国内でも最古の産地です。



この地の約2万ヘクタールという規模のぶどう畑は、標高の低い海の近くから最高地点で700メートルほどの差があり、気温も夏は涼しく、冬は暖かく保たれます。それに加えて、ワインの産地にしては年間の降水量が多いことから、緑が青々と茂り、”緑の地”と呼ばれ、ワインも”緑のワイン”と名づけられているのです。


この”緑”は青々とした土地で育てられていること、フレッシュさ、若々しさを表していて、その理由は産地と製法と言えるでしょう。というのも、このワインは一部10%より低いアルコール度数とフレッシュな微炭酸であることが特徴です。

このワインに使われるぶどうは通常のものより1、2か月早く熟す前に収穫されます。早めに摘むことでアルコール度数が比較的低く抑えられることと、発酵の途中で出る気泡がワインに残りやすく、とてもきめ細かい泡を感じられるワインになります。加えてぶどうの品種次第でも味が変わり、品種の特性を活かすために収穫の時期を変えたりしています。





もともとこの地域を含めて、ポルトガルでは農地は相続によって引継がれていくため、ぶどう農家は小規模なものが多く、これまでは収穫したぶどうをワイナリーに納めてワインにしてもらう、なんて分業のところも多かったみたいです。それに降水量が多いこの地域では、これまでポルトガルのマーケットで不動の人気だった赤ワインの深い味わいを引き出すことに不向きでした。ですが、最近は強味を活かせる白ワインも有名になってきており、今や地域生産の8割程度を占めているのだとか。さらに生産全体の半分は国外への輸出に回しているというのだから、国内外での”緑のワイン”の人気が伺えますね。


最近では、年配の方を中心に外国からの観光客がワインを目的にワイナリーでテイスティングをしたり、ホテルが併設されたワイナリーの場合には泊まったりしたりするワインツーリズムも人気を博しています。


ポルトガルのワイン法では、このヴィーニョ・ヴェルデの生産にあたり、使用できるぶどうの品種を、白ワインだとアルバリーニョやアリント、アペソなど。赤ワインならばアルバレニャオやアマラル、エスパデイロなどと規定しています。あまり日本でメジャーな品種ではないですが、どれもポルトガル土着の品種です。こうして決められた品種や製造方法をクリアしたワインのみが『D.O.Pヴィーニョ・ヴェルデとして販売できるんです。


これまでにご紹介してきた通り、比較的低いアルコール度数と軽めの口当たりがこのワインの特徴です。

そのため、和食や魚介類を使用した料理との相性は抜群です。また、果物やサラダなどさっぱりとしたものにも合うため、日本の家庭料理とも相性はいいこと間違いなし。ワインならば飲む前の晩に冷蔵庫で冷やしておいて、飲む直前に室温にさらせば丁度いい塩梅になります。

もし日本国内で売られているのを見かけたら、是非買って、飲んでみて下さいね~








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