シャーフベルク山(ザルツカンマーグート ザンクト・ヴォルフガング)
ザンクト・ヴォルフガング湖はザルツカンマーグートの数ある湖の中でも特に美しく人気の湖。まずはザルツブルクからバスで50分、湖畔北西のザンクト・ギルゲン(モーツァルトの母の生家があります)に行きましょう!ザンクト・ギルゲンから船に乗ること45分。中世の巡礼地ザンクト・ヴォルフガングに到着。
ここから、町の背後(東側)にそびえるシャーフベルク山(1783m)にし登山列車で上りましょう!この鉄道は「サウンド・オプ・ミュージック」にも登場しました。上ること35分、山頂にはホテル・レストランもあり、眼下にヴォルフガング湖、モント湖、アッター湖やダッハシュタイン山塊を360度見渡せる絶景です♪ 湖船もシャーフベルク登山鉄道も4月下旬から10月中旬の運行です。
*三日月の形をしたモント(月)湖畔の同名の町モントゼーには、マリアとトラップ大佐が結婚式を挙げた聖ミヒャエル教会があります。教会に隣接するシュロスホテル・モントゼーは元は修道院、その後宮殿。そして丁寧に修復され宮殿ホテルとなりました。かつて修道士が瞑想した回廊は木漏れ日が歴史を感じます。モント湖岸の町モントゼーはザルツブルクからバスで50分。車なら25分です。大切な方と一緒にいかがでしょうか?
クリッペンシュタイン展望台(ザルツカンマーグート ハルシュタット)
ハルシュタットはザルツカンマーグートのハルシュタット湖畔の同名の町。世界で最も美しい湖畔の町と讃えられています。紀元前1000年から500年頃、ここに暮らしたケルト民族による先史文化をハルシュタット博物館で見ることができます。世界最古の塩坑のハルシュタット塩坑も現在も稼働して見学可能です。まずは、湖畔からケーブルカーで簡単に登れる世界遺産展望橋へ行ってみてください。眼下に素晴らしい景色が広がります♪
お時間があり、お天気がよければ、ダッハシュタイン山塊を望むクリッペンシュタイン展望台へ足を延ばしてください。山頂駅から歩いて20分。ファイブフィンガーズという5本の指のように岩壁に突き出たスリル満点の眺望スポットもありますよ。
ハルシュタットへは、ザルツブルクから鉄道で2時間半。アットナング・プッハイム駅で1度乗り換えます。送迎車も手配いたします。
フランツ・ヨーゼフス・ヘーエ展望台(オーストリア最高峰グロースグロックナー)
オーストリア・アルプス最高峰はザルツブルクの南西約100キロに位置するグロースグロックナー(標高3798m)。オーストリア(中央ヨーロッパ)で最大の国立公園であるホーエ・タウエルン国立公園内にそびえています。
グロースグロックナーの展望台であるフランツ・ヨーゼフス・ヘーエ展望台(標高2,369m)へ行きましょう。皇帝フランツ・ヨーゼフがエリザベートと結婚した1856年、2人でこの地を訪れたことから、この名前がつきました。真正面に白銀のグロースグロックナー、右側にはオーストリア最大の氷河・パステルツェ氷河がすぐ近くに見え、素晴らしい眺めです。フランツ・ヨーゼフス・ヘーエには展望スポットが何箇所かあり、30分~1時間程度のハイキングをしながら景色を堪能する形になります。
鉄道では何度か乗り継ぎをする必要がありますので、ザルツブルクでご滞在予定のお客さまには、ザルツブルクからの日帰りバスツアーをおすすめいたします。1935年開通のグロースグロックナー山岳道路は美しい眺望で有名です。
鉄道でのんびり行かれる場合は、まず南チロルの中心の町リエンツへ向います。リエンツはイタリアとの国境近くの明るいリゾート地。ザルツブルクから鉄道で1度乗り換え、3時間半で着きます。リエンツから麓の美しい町ハイリゲンブルートへバスで1時間。ハイリゲンブルートから、展望台へバスで30分となります。
この地まで行かれるお客様は少ないですが、オーストリア・アルプスの魅力がぐっと詰まっていますので、山を愛する方にお勧めです。
ホーエン・タウエルン国立公園
ホーエ・タウエルン国立公園(Nationalpark Hohe Tauern)は、中央ヨーロッパで最大の国立公園です。グロースグロックナー山を中心に据え、ザルツブルク州、ケルンテン州、チロル州の東チロルにまたがる広さ1800㎢の領域で、3000㍍以上の峰々が226もあります。スイス・アルプスに負けないほどの感動的な壮大な景色に出会えます。
国立公園内には、グロースグロックナー麓のハイリゲンブルートや、オーストリアで最も美しいアルプスの町と称されるツェル湖畔のツェル・アム・ゼー、氷河の麓カプルン、歴史ある温泉保養地のバート・ガスタインなど魅力的な小さな町が点在しています。
ツェル・アム・ゼーへはザルツブルクから鉄道で直通1時間半。カプルンへはツェル・アム・ゼーからバスで30分。バート・ガスタインへもザルツブルクから鉄道で直通1時間半とアクセスが便利です。ザルツブルクから、足を延ばしてみるのはいかがでしょうか?
チロル地方(インスブルック周辺)
チロル地方はオーストリアの西部に位置し、チロル州(州都インスブルック)とフォアアールベルク州(州都ブレゲンツ)の一部と東チロルのことを言います。
気軽にオーストリア・アルプスを楽しみたい方には、インスブルックの北にそびえるノルトケッテ連峰の展望台ハーフェレカー(標高2334m)はいかがですか?街の中心からケーブルカーとロープウェイで登れ、天気がよければイタリア国境のブレンナー峠まで望めます。または、南にそびえるパッチャーコーフェル山(標高2247m)。路面電車とロープウェイで30分ほどで着きます。頂上からはインスブルック市街とその背後のノルトケッテ連峰、ドイツとの国境カーヴェンデル山脈も眺められます。山頂駅から3時間弱の初中級のハイキングコースもございます。
チロル州にはスイス・エンガディンを水源とするイン川が南西から北東に流れています。州都インスブルックはイン川の橋という意味です。アルプスのそびえる南側からイン川に向かって沢山の支流が流れ込んでいます。これらの支流に沿って、シュトゥバイタール、エッツタールやツィラータールといった谷(Tal タール)があり、世界的な山岳リゾート地が点在しています。
例えば、エッツタール沿いの村セルデンやオーバーグルグル。インスブルックから南に延びるシュトゥバイタール沿いのフルプメスやノイシュティフト。ツィラータール沿いのマイアーホーフェンなどです。これらのリゾート地へはインスブルックから鉄道で1時間から2時間ですので日帰りもできますし、せっかくですから麓の村に滞在して夏期であればアルプス・ハイキングも楽しめますね。この中でもシュトゥバイタール沿いのフルプメスやノイシュティフトへは、インスブルックから登山列車(インスブルック市内では路面電車)でアクセスできますので便利です。シュトゥバイタール最奥のムッターベルクアルムは3000m級の山々と氷河への入り口の村。ここからロープウェイとゴンドラを乗り継ぐと、トップ・オブ・チロル展望台(標高3210m)に到着します。オーストリア最高所の山岳レストランもございます。
その他のチロル地方
その他のチロル地方としては、スイスとリヒテンシュタインと国境を接するフォーアアルベルク州のレヒ。レヒはスイスのサン・モリッツと並ぶ高級リゾートです。町を流れるレヒ川は、ドイツのノイシュヴァンシュタイン城の眼下にフォルッゲン湖を作っています。レヒへはインスブルックから鉄道で1度乗り換えで2時間ほど到着。
または、インスブルックの東、特急で1時間強、ザルツブルクから2時間半のキッツビュール。歴史ある山岳リゾートです。町の南のハーネンカム山(標高1658m)や北にそびえるキッツビューラーホルン(標高1996m)へはロープウェイで簡単に登れます。どちらも素晴らしい眺めの2時間ほどの初心者向けハイキングコースがござます。
もう1つご紹介。スイスにほど近い山岳リゾート地ザンクト・アントンへはインスブルックから西に1時間強。スイスのチューリッヒから2時間20分。最高級のスキーゲレンデがあるので、冬のシーズンは大変な賑わいです。ザンクト・アントンからロープウェイを2回乗り継いで到着するファルーガ山頂(標高2811m)展望台からは、チロルの峰々だけでなくスイスアルプスまで見渡せます!
ドイツと国境の山ツークシュピッツェへ
ツークシュピッツェ(標高2962m)はドイツ・バイエルン州とオーストリア・チロル州の境にある山でドイツ最高峰です。どちら側からも山頂まで登山列車とロープウェイ、もしくはロープウェイで行けます。山頂にドイツとオーストリアの国境があり、歩いて行き来できますよ。
北のドイツ側と南西のオーストリア側のどちらからでも登れますが、旅行者には便利なドイツ側からのアクセスから書きますね。
初めに、麓の町ガルミッシュ・パルテンキルヒェンへ向いましょう。ミュンヘンから列車で1時間半で到着。この町にはリヒャルト・シュトラウスが晩年過ごした家があり、今も子孫の方が暮らしています。また、「モモ」や「はてしない物語」の作家ミヒャエル・エンデの生誕の地です。ガルミッシュ・パルテンキルヒェンで登山列車に乗り換え、途中ロープウェイに乗り継ぎ山頂駅に到着。山頂では360°の視界が広がる展望台とレストランがあります。
次に、南西のオーストリア側から行く方法です。まず、インスブルックから列車で1時間20分、一旦ドイツのガルミッシュ・パルテンキルヒェンまで行き、乗り換えて25分オーストリアのエーアヴァルトに到着。エーアヴァルトから標高2950mの頂上まで一気にロープウェイで上ります♪ ガルミッシュ・パルテンキルヒェンもエーアヴァルトも花が溢れる小さな美しい町です。
オーストリア最高峰のグロースグロックナー(標高3798m)に比べると標高はぐんと低いものの、バイエルンとチロルのアルプスが一望できる素晴らしい眺めに出会えます。
ウィーンの森
フランスとイタリアの国境から始まるヨーロッパ・アルプスはスイスとオーストリアにかけてそびえています。オーストリアの中央からウィーンに向かいなだらかになり、最後にウィーンの森を形作っています。ウィーンにゆっくりご滞在される方におすすめの散策コースをご案内します。
ウイーンの北の丘。カーレンベルク484mとレオポルツベルク425m。ちなみにウィーン市街地は標高203m。
現在、4つ星レストランやカフェのあるちょっと素敵なカーレンベルクは、歴史上重要な場所です。1683年オスマントルコ軍が城壁に囲まれたウイーンの街を包囲しました。城壁内の市民は2ヶ月間も籠城。ウィーンからパッサウに避難していた皇帝レオポルド1世は救援を呼びかけます。それに応じてポーランド王やドイツ諸侯がカーレンベルクに集結。ポーランド王ヤン3世は到着したその日に攻撃を指揮。1683年9月13日カーレンベルクから駆け下りオスマン軍を撃退させました。そして300年後の同日1983年9月13日、当時のローマ教皇でヤン3世と同じポーランド人のヨハネ・パウロ2世がこの地を訪問したそうです。ヨーロッパ・キリスト教世界にとっては.イスラムの侵攻を阻止した記念すべき場所です。
カーレンベルクに着いたら、舗装されたなだらかなStadtwanderweg(散策路)を歩いて30分。少しドナウ河が近づくとレオポルツベルクに到着です。レオポルツベルクには13世紀に築かれたバーベンベルク城が廃墟となって残っています。バーベンベルク家は神聖ローマ皇帝オットー2世によってマジャール民族(現在のハンガリー)に対する東辺境伯領オーストマルクの領主とされた名家。ハプスブルク家以前の976-1246年の270年間この地を治めました。レオポルツ教会裏はカフェになっています。カーレンベルクよりも人が少ないのでゆっくり眺めを楽しんでください。帰りはレオポルツベルクから、ハイリゲンシュタットへバスが30分間隔であるので安心です。まだ日が高く元気があれば、カーレンベルクを通り過ぎ、森とブドウ畑の間を南東に下ればハイリゲンシュタットまで歩くことも出来ます。
グリンツィングからハイリゲンシュタット間は旧家を改築した趣のあるホイリゲが多数点在。散策後はホイリゲでの夕食がお勧めです。アルコールが苦手な方にはトラウベンザフト(Traubensaft=ブドウジュース)もあり、様々な食べ物も充実していますよ。大体ブッフェ形式なので目で見て食べたいものが選べます♪ また、この地はベートーベンゆかりの地で記念館や家、交響曲田園の着想を得た小路がありますよ。詳しくはツアーカテゴリ音楽家&ハプスブルク家の軌跡を辿る内のベートーヴェンのコラムをご覧下さい。
カーレンベルクへは地下鉄U4終点ハイリゲンシュタットから38Aのバスでカーレンベルク行きに乗り30分。レオポルツベルクへは同じくハイリゲンシュタットから38Aのレオポルツベルク行きバスで35分。または、リンク沿いのショッテントーアから38番の路面電車でグリンツィングまで行き、38Aのバスに乗り継ぎます。
アイベックス(グロースグロックナーにて)