彼の生まれ故郷、フィラゲスには彼自身が創設した「ダリ劇場美術館(Dali Theatre-Museum)」があり、なんと地下には自身のお墓まであるそうです。美術館には宝石を展示した別館もあり、彼がデザインした宝石の作品も鑑賞することができます。
フィゲラスは、バルセロナから高速鉄道Renfeでおよそ1時間の小さな町です。最近、駅舎が新しくなり、列車も駅もきれいで清潔、快適に移動することができます。駅から約15~20分ほど歩くといきなり奇抜な建物が現れます。それが、それがダリ美術館です。事前のオンライン予約(英語)もできるので、繁忙期にスペインを訪れるのなら事前予約がお勧めです。

館内は仕掛けのある大掛かりなものが1~2階に展示されていて、3~5階が絵画が中心というように展示されています。2018年時点では館内の撮影はオーケーでした。
ダリは、「夢の奥にひそむ欲望をあばき出す」のを目的に創作活動に打ち込みました。1930年代にはパリを中心にしてシュルレアリスム(超現実主義)というムーブメントが盛んになり、ダリも一員でした。
「人間の無意識の世界を明らかにする」シュルレアリスムは、奇妙な生物や光景を題材にした作品も多く、ダリの作品でもよく見るモチーフです。
館内の大掛かりな仕掛けは、さすがダリとニヤリとしてしまうものも多く、全く飽きさせません。
隣の別館も併せて、最低でも3時間くらい時間に余裕をもって訪れるのがいいと思います。
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さらにダリ好きの方には「卵の家」という愛称の「ダリの家美術館(Casa Museu Salvador Dali )」がフランス国境に近い漁港カダケスにあります。バルセロナからバスで2時間くらい、ターミナルから美術館まで徒歩30分はあるので、こちらは丸1日余裕がある方向きでしょうか。リゾート地ということもあり夏場は混雑するので、オンライン予約をお勧めします。

ポルリガットという入り江にある家は、漁師の家だったものをダリが購入して40年ほどかけて改修し、実際に愛妻ガラと暮らし制作活動もしていた家です。ダリが「この世のパラダイス」と称した地には、他にも芸術家たちが惹きつけられ滞在したことがあるそうです。
あちこちに卵のオブジェがあったり、家の中はダリの感性で装飾がほどこされ、ダリの息吹が感じられることでしょう。入り口を入ってすぐに出迎えてくれるのが白熊なのも、ご愛敬です。


スペインが生んだ天才、サルバドール・ダリ。現地で鑑賞すると、その情熱がさらに伝わってきそうですね。