ハンガリーは内陸国であるものの、言語は周辺国とは全く異なり、むしろハンガリー語は、フィンランドやエストニアと同系統のウラル語族です。そのため、陸の孤島ともいわれています。人口約998万人。大半がハンガリー人（マジャール人）です。通貨は「フォリント」。観光の場合、90日以内の滞在ならビザは必要ありません。パスポートの残存有効期間は入国時に3ヶ月以上が必要です。夏と冬の温度差が大きく、冬の寒さは厳しいです。湿度が低く、乾燥しています。「ブダペスト スプリングフェスティバル 」や「シゲット フェスティバル」などの音楽イベントがあります。大晦日には「ニューイヤーイブ・オペラ座ガラ舞踏会」なんて華やかなイベントも！ワインが名産の国ならではの「国際ワインフェスティバル 」も外せません。グルメな人にはたまらないフォアグラの生産地でもあります。缶詰も売っているので、お土産としてもお勧めです。食べられる国宝マンガリッツァ豚も有名です。美しいもので溢れるハンガリーは、ハプスブルグ家一の美貌を誇ったとも謳われるエルジェーベド（通称シシィ）が愛した国でもあります。

ドナウの真珠と謳われる、ハンガリーの首都ブダペスト。世界遺産にも登録されています。約162万人が暮らしています。町のほぼ中央にドナウ川が流れ、優雅なくさり橋で結ばれています。丘陵地帯の西側のブダには王宮が構える観光のハイライト。ランドマークのマーチャーシュ教会。童話の挿絵のような漁夫の砦からは美しい市内を見渡せます。一方、平坦な東側のペストの見どころは、なんといっても豪華絢爛な国会議事堂です。外観の美しさもさることながら、内部もまた素晴らしいものです。同じく重要な見どころとして、聖イシュトヴァーン大聖堂も必見です。アンドラーシ通りの突き当りには、歴代の勇者が並ぶ英雄広場があります。ブダペストは50近くの浴場をもつ温泉都市でもあります。その中でも、ゲッレールト温泉とセーチェニ温泉はお勧めです。ヨーロッパの温泉を体感できるでしょう。また、ブダペストはシシィの愛した都市。国立オペラ劇場など、シシィのゆかりの地を辿ってみるのも楽しいです。近郊には、シシィが好んで訪れたグドゥルー宮殿もあります。

ドナウ川が大きく進行方向を曲げるため、「ドナウの曲がり角」という意味のドナウベンドと呼ばれる風光明媚なエリアです。ドナウベンドの玄関口であるセンテンドレには、毎年100万人以上の観光客が訪れます。小さな町なので、1時間もあれば一通り見ることができます。可愛らしい雑貨屋も多いので、お土産選びに便利な町です。中央広場に立つブラゴヴェシュテンスカ教会がランドマークです。ドナウベンド観光のハイライトの町ヴィシェグラード。かつて「地上の楽園」といわれるほどの栄華を誇った古都です。現在は古跡が残るのみですが、ちょうどドナウ川が曲がるポイントのため、美しいパノラマが見られます。一押しの写真スポットです。最後に、ハンガリーカトリックの中心地エステルゴム。国内最大の大聖堂は必見です。また、マーリア・ヴァレーリア橋はスロヴァキアの国境の町と繋がっています。橋を渡れば、そこはもうスロヴァキア。徒歩で気軽に渡れますが、結構距離があるので、時間が限られている場合はお急ぎください。

中欧最大の大きさのバラトン湖。東京23区がそのまま入ってしまうほどの大きさです。周辺に火山が多い北岸には、中欧有数の温泉リゾートであるバラトンフレドや、温泉湖ヘーヴィーズなどがあります。また、絶景地として有名なティハニには、昔ながらの農村風景とバラトン湖のコントラストが本当に美しいです。ティハニの近郊には、ラベンダーが一斉に咲き乱れる場所もあります。丘の上に建つ古城が見どころなシュメグや、ワイン通にはたまらないバダチョニ、優美な宮殿があるケストヘイなど、素晴らしい場所がたくさんあります。ブダペストとバラトン湖の間には、「戴冠の白い城」を意味するハンガリー最古の町セーケシュフェヘールヴァールや、中世の街並みがそのまま残るヴェスプレームもあります。ヴェスプレーム近郊には、磁器で有名なヘレンドの工場もあります。バラトン湖は、夏ならクルージングもお勧めです。

バロック様式の建造物が数多く残るエゲルは、ブダペスト、ショプロンに次いで重要文化財が多く残る町です。エゲル城やトルコ支配の名残ミナレットがあります。エゲルはまた赤ワインの産地としても有名で、「雄牛の血」を意味するエグリ・ビガヴェールは、ハンガリーを代表する赤ワインの一つです。町の中心から40分ほど歩くと、ワインセラーが何十軒と建ち並ぶ「美女の谷」があります。ワイン好きは絶対に外せない場所。市内からミニ・トレインも出ています。エゲル温泉もありますが、近郊にはもっと大きな温泉地エゲルサロークもあります。白い石灰華の棚が独特の景観を作りだしています。ブダペストとエゲルの間には、パローツ様式の伝統家屋が見られる世界遺産ホッロークーもあります。また、エゲルよりさらに東へ行くと、ワイン産地として世界遺産にもなっているトカイがあります。貴腐ワイン「トカイ・アスー」が特に有名ですが、普通のワインもあります。ぜひ足を伸ばして味比べをしてみてください。

ハンガリー東部に広がる大平原プスタ。広大な大地には、ハンガリー固有の珍しい家畜が飼育されています。2000年以上前から続く遊牧騎馬民族の伝統的な生活を大切にしています。そのため、ホルトバージ国立公園は文化遺産として、世界遺産に登録されています。湿地帯であり、ヨーロッパ有数の野鳥の宝庫としても知られています。ホルトバージのビジターセンターには、野鳥や家畜を紹介する展示スペースもあります。クルクルねじれた角が特徴的なラツカという羊や、成長するにつれ色が白くなる灰色牛なども見学できます。牧場内を馬車で巡り、騎馬民族の伝統的な衣装をまとった男性による馬術ショーを見ることができます。