ドイツ高速鉄道ICEへの誘い


海外を旅行する上で移動の手段の一つとして挙げられる鉄道。都市間を短時間で結んだり、のんびりと風景を楽しんだりすることで旅の可能性を広げてくれるもの。実際、「移動するなら断然鉄道!」という方々も多くいらっしゃいますね。

今回はそんな鉄道好きな方だけでなく、特にドイツを中心に旅行される皆様、また旅行をご検討されている方々にICEという電車の魅力についてお伝えしようと思います。

ICEとは?

ICE、正式名をInter City Expressといい、敢えて日本語にするとすれば「都市間高速鉄道」というものになるのでしょうか?ドイツ鉄道(DBDeutsche Bahn)が誇る最上級クラスの列車で、国内の主要都市を短時間で結ぶものとして、旅行者だけでなく現地にお住まいのドイツ人の方々の貴重な足として活躍している列車です。

1991年にハンブルクからミュンヘンまでの路線を開業したのを皮切りに、現在ではドイツ国内東西南北、縦横無尽にICEの路線が網羅されています。最高時速は300㎞。

ICE車両の特徴

「最上級クラス」ということもあり、ICEにはドイツの様々な技術やサービスが凝縮されていると言っていいでしょう。日本の新幹線と比較して説明してみることにします。

まずは車両構成に関して。新幹線では普通席、グリーン車、あとは路線によってグランクラスというカテゴリーに分かれていますが、ICEには2等と1等の二つのみ。1等はグリーン車とグランクラスのちょうど真ん中ぐらいの位置づけになります。

2等車の配列は基本窓側から2席、通路を挟んで2席。ドイツ人体型に合わせた設計のためか、日本人にはかなりゆったりとくつろげる使用になっています。後は車両にもよりますが、コンセントも装備されており、デバイスのバッテリーが切れた!なんて心配もしなくてもいいのが嬉しいことです。結論から申し上げると、ICE2等でも十分満足できる、お勧めに値するもの♪

でも、せっかくだからちょっと贅沢をしたいな~と考えている方もいらっしゃるでしょう。では1等車とは一体どんなものなんでしょうか、違いとその魅力をご説明いたしましょう。

1等車は配列は少し変わります。2席通路を挟んで1席。かなりゆったり。座席がしかも革張り。ここにいるだけで気分はエグゼクティブ、セレブの領域(笑)2等はガヤガヤしていますが、1等は静かで落ち着きのある別空間。1等専用のアテンダントもおり、飲み物や食事を注文することができ、席に運んでくれるまさに至れり尽くせり。一度ICE1等を経験してしまうと…正直な話、2等には戻れません。新幹線のアッパークラス(グリーン車、グランクラス)に比べれば、サービスは明らかに上です。

食堂車両という大きな存在

食事や飲み物の話をしましたが、ICEで忘れてはいけないのが食堂車両の存在。現在日本では観光列車の中で食事を楽しむということが流行になりつつありますが、ドイツのICEには開業当時から食事を楽しむスペースが存在しています。車両の中にはテーブルやキッチンが設置され、簡単な軽食から本格的な料理までこちらで楽しむことが出来ます。車窓からの風景を楽しみながら舌鼓を打つのも旅の醍醐味の一つといえるのではないでしょうか?

メインディッシュの値段も思いの他リーズナブル(1015€)で、旅のひと時を味わうのには投資に値するもの。移動時間が長い場合は是非とも立ち寄って頂きたいと思います!



どこへ行けるの?

お金を節約しようと思う方は2等で、優雅な旅をしたいなら1等で…あと時間があったら食堂車にも行きたいな~このようにICE車内でのイメージはなんとなくつかんで頂けたことでしょう。では、ICEに乗りました、さてどのようなところへ行こう、何を見よう、次は旅の目的地を決める段階ですね。

ICEは先に申し上げた通り、路線がドイツ国内を網羅しています。そのため、様々な観光地をカバーできているのも非常に有難いことです。具体的にどのような所でどんなものが見られるかご紹介していくことにしましょう。

日本からのフライトでドイツに入る多くの方の拠点はフランクフルトになると思います。フランクフルトを出発点とすれば簡単にICEで代表的な観光地に足を運ぶことができるわけでして。では、例えば世界遺産に注目しましょう。フランクフルトから乗り換えなしで行けるものは以下の通りです。

 

・ケルンの大聖堂(ケルン中央駅)フランクフルト空港駅から50

・アーヘンの大聖堂(アーヘン中央駅) フランクフルト中央駅から1時間50

・ヴュルツブルクの司教館(ヴュルツブルク中央駅) フランクフルト中央駅から1時間10

・ヒルデスハイムの聖マリア大聖堂と聖ミカエル教会 (ヒルデスハイム中央駅)フランクフルト中央駅から2時間20

・ベルリン博物館島など(ベルリン中央駅)フランクフルト中央駅から4時間10

ヴァルトブルク城 (アイゼナハ駅)フランクフルト中央駅から1時間40

エッセンのツォルフェアアイン炭鉱業遺産群(エッセン中央駅)フランクフルト中央駅から1時間50

レーゲンスブルクの旧市街とシュタットアムホーフ(レーゲンスブルク中央駅) フランクフルト中央駅から3時間

ベルクパルク・ヴィルヘルムスヘーエ(カッセル=ヴィルヘルムスヘーエ駅) フランクフルト中央駅から1時間20

シュパイヒャーシュタット (ハンブルク中央駅) フランクフルト中央駅から3時間30

なんと10か所も!世界遺産マニアの方々にはたまらない情報ですね。もちろん世界遺産にこだわらない、拠点をベルリンやミュンヘンにすればさらにその数は増えます。時間効率を考えるとICEという列車の存在はドイツには欠かせないものだということが分かります。

ドイツだけではない!隣国も合わせて

ICEのもう一つの優れた点は目的地が国内だけではないということ。つまり、他の国への旅行も効率的に組みやすいということです。パリ、ブリュッセル、ウィーン、チューリッヒ、アムステルダムなどドイツに接している西側と南側の国には直行で乗り換えなしで行けます。

面白い、是非とも経験して頂きたい路線にハンブルク→コペンハーゲン間の通称「渡り鳥ルート」があります。なぜ渡り鳥なのか?それは移動の方法が特殊で、ドイツからデンマークへ移動する際にICEごとフェリーに載せる姿があたかも鳥が飛ぶように見えることから名付けられたようです。こんな経験はなかなかできませんね!

断然オススメ、ドイツの旅はICE

以上のように乗って快適、主要観光地への接続も便利、しかも隣の国への移動も可能というドイツの移動の最終兵器(?)ICE。ドイツという国は日本よりも若干狭い国ですが(おおよそ80%ほど)、ほとんどが陸つながりになっているため、実際は日本よりも広く感じます。そんな国ですがICEを使うことで、時間効率が上がりますね。

旅とは様々な形があります。その種類は十人十色、可能性は無限大。ドイツ、またヨーロッパ周遊の旅行を考える上でICEというのは、間違いなくステキなあなただけの旅を助ける重要な手段になるのではないでしょうか?








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