~アルプスの名峰と湖の絶景に出会う~ 一度は訪れたい国スイス旅行記<後編>


 レマン湖畔のリゾート地モントルー

スイス観光5日目。スイスの山岳地帯グリンデルワルトからフランスとの国境にまたがるレマン湖畔の街モントルー(Montreux)に向かいます。前回の記事でお話しした通り、ドイツ語圏エリアからフランス語圏エリアへの移動です。 <前編>はこちら

この日の楽しみはスイスが誇る景観列車「ゴールデンパスライン」に乗ること。ゴールデンパスラインは3つの鉄道会社の路線をつなぎ、ドイツ語圏の古都ルツェルンからインターラーケン~ツヴァイジンメンを通って今日の目的地モントルーまで抜けるスイスの景観が楽しめる横断ルート。

グリンデルワルトから登山列車でインターラーケンまで降りたあと、インターラーケン~モントルーまではこのゴールデンパスライン区間となります。ルツェルン~インターラーケンはZB,インターラーケン~ツヴァイジンメン間はBLS,ツヴァイジンメン~モントルーまではMOBという異なる鉄道会社が運行していますが、それぞれ外観は同じ金色のデザインで統一されています。


各社が誇るパノラマ車両に乗車すれば、開かれた車窓から、雄大なアルプスと湖、のどかな牧草地、一面に広がるブドウ畑など、様々なスイスの魅力を堪能できます。BLS路線でツヴァイジンメンまで移動した後は、MOB路線に一度乗り換えです。スイスの鉄道はどの路線も清潔で、2等車でも十分快適ですが、贅沢を味わいたいならやはり1等がおすすめ。座席もテーブルも広く、ゆったりと景色を楽しむことができます。景色と一緒にビールやワインを1杯味わうのも楽しい!




 ↑一等車の座席。広々としたテーブルで食事やアルコールも楽しめます。


インターラーケンから約3時間。美しいレマン湖畔が見えてきました。モントルーに到着です!

モントルーの駅を降りると、ドイツ語圏との違いをすぐに実感します。町も人の雰囲気もなんだか大らかでエレガント…!ランチを食べるとまたびっくり、更に違いを感じます。スイスは面積でいうと九州ほどの、そして人口でいうと大阪と同じくらいの小さな国ですが、それぞれの地方で異文化を感じることができるのも魅力のひとつ。スイス料理というとアルプスの少女ハイジに出てくるようなチーズフォンデュのイメージが強いかもしれませんが、イタリア語圏に行けば美味しいパスタ、フランス語圏に行けばお洒落なフレンチが食べられるのです。ドイツ語圏ではやはりじゃがいもやソーセージなどシンプルな山の料理が多いです。(スイスの食についてはまた別の機会に紹介します。)
 

レマン湖畔にあるエレガントな町モントルーは、今も昔も多くのセレブに愛される世界に名高い高級リゾート地。毎年夏に開催されるジャズフェスティバルも世界的に有名です。18世紀後半から19世紀には英国貴族の間でモントルーへの旅行が流行し、レマン湖とアルプスの山並みが織り成す美しい風景は、多くの文人や音楽家をも魅了してきました。イギリスを代表するロックバンド・クイーンのボーカル「フレディ・マーキュリー」もその一人。レマン湖のほとりには彼の銅像が立っています。

 

↑モントルー駅から3分ほど歩くとレマン湖の絶景が目の前に現れます。
湖と色とりどりのお花が美しく、思わず足を止めて景色に見惚れてしまいます…。

 レマン湖畔のオリンピックシティ ローザンヌ

この日の午後は、レマン湖の北岸、モントルーの西に位置するローザンヌ(Lausannne)へ。
国際オリンピック委員会本部がある都市として知られるスイス第5の都市です。ローザンヌにあるオリンピックミュージアムは世界で唯一のオリンピック博物館。日本で開催されたオリンピックにまつわる資料や日本人選手の身に着けたユニフォームなども展示されています。施設内には展望がよくお洒落なカフェもありますので、散歩の途中のひとやすみにも利用できます。スイストラベルパスで無料で入館できますので、ふらりと寄ってみるといいでしょう。

 
↑オリンピックミュージアムの最寄駅にもオリンピックにちなんだ装飾が!かわいい!

 

旧市街の中心にある丘の上に立つ大聖堂も必見。1213世紀建造の聖堂はスイス屈指のゴシック聖堂の傑作です。大聖堂の塔からはローザンヌの旧市街が一望できます。

 ローザンヌは音楽やバレエなどの芸術活動も盛んで、様々な芸術学校があることでも有名です。個性的な美術館や博物館も数多く存在し、スイスの首都で旧市街が世界遺産に登録されるベルンやスイスの西の玄関口ジュネーブへのアクセスもよいので、周辺の町を訪れる拠点にもおすすめの場所です。ローザンヌ~モントルー間は鉄道で20分ほどでアクセスできます。


世界のセレブや著名人が愛した町ヴェヴェイ

モントルー2日目。ついに1週間の視察旅行も最終日を迎えます。この日は、モントルーから鉄道で6分ほどの小さな街ヴェヴェイ(Vevey)へ!今も旧市街を中心に、古い路地や15世紀~19世紀に建てられた歴史的な建造物が残っており、観光地化されていない素朴な街並みが素敵です。世界的な企業「ネスレ」の本社があることでも知られるこの町は、喜劇王チャップリンが晩年を過ごした場所としても有名です。

20164月、ここヴェヴェイに構想から約15年の時を経て、チャップリンの世界を紹介するミュージアム「チャップリン・ワールドが誕生しました。晩年の25年間を家族と共にスイスで過ごしたチャップリン。
スタジオでは、チャップリンのアーティスト・俳優・監督としての歴史や彼の映画について知れるだけでなく、等身大の蝋人形のチャップリンに出会うことができ、彼が生きた当時の世界観に触れることができます。実際にチャップリンが過ごした邸宅が見られるというのもチャップリンファンにはたまらないのではないでしょうか。マノワール(チャップリンの邸宅)には、チャップリンの生活が当時のままに再現されており、邸宅の周りの公園内からは、チャップリンが見ていたのと同じ美しい湖の景色が見渡せます。当時のチャップリンの思いを想像しながら、アルプスと湖を見渡せば、喜劇王チャップリンが永住の地としたスイスの魅力を再確認できるはず。
日本語の説明はありませんが、チャップリンファン・映画ファンでなくても、また語学に自信がなくても、十分に楽しめる施設です。モントルー滞在の際にはぜひおすすめしたいスポットです。料金は大人18CHF

 

世界遺産のワイン畑「ラヴォー地区」

チャップリン・ワールドの後は、レマン湖エリアのハイライトの一つ世界遺産のワイン畑ラヴォー地区に向かいます。ローザンヌからモントルー郊外のシヨン城まで続くこの美しいブドウ畑は、その美しい景観だけでなく、ローマ時代まで遡るワイン作りの長い伝統と歴史を評価され、2007年に世界文化遺産として登録されました。ブドウ畑の最大を縫うように作られた小道をのんびりと歩いてみてください。春~夏にかけては青々とした一面のブドウ畑が、秋になると黄金のブドウ畑、冬には真っ白な雪景色が楽しめます。ラボ―地区の主な葡萄の樹種は白ワインとなるシャスラで、さまざまな土壌と日射によって微妙な味や違いを生み出しています。

ところで、世界遺産にも認定されるワイン畑がありながら、スイスワインって日本ではあまり見かけませんよね?
それもそのはず、ラヴォー地区をはじめ、スイスのワインは生産量が少なく、その98%が国内で消費されているのです。つまり、とっても希少なワインなんですね。

ラヴォー地区を訪れた際、ワイン通には必ず寄っていただきたいのが、ラヴォー地区の中心リヴァ(Rivaz)にあるビジターセンター「ラヴォー・ヴィノラマ」です。ヴェヴェイからリヴァまでは鉄道で5分ほど。駅を降りて、10分ほど歩くと到着です。

ラヴォー・ヴィノラマには、250300種類のワインが置いてあり、ワイン通にも十分満足いただけます。ラヴォー地区の歴史やワイン生産者の生活について紹介するビデオは日本語での上映も!生産者のワインに対する熱い想いや長年受け継がれてきた伝統をしっかり学べます。施設内では、もちろん試飲も可能です!ラヴォー地区内のワイナリーは事前予約が必要であったり、見学・試飲を受け入れてもらえないところも多いので、たくさんの試飲がしたい人にもおすすめの場所です。アルコールが飲めない人や子供用にブドウジュースも販売しています。

ここまで来たら、ワインをお土産に購入されたい方も多いかと思いますが、ワインの日本への発送は基本的にはしてもらえず、購入したワインは自分で持ち帰るしかありません。重たいワインを持ちながらの散策は大変なので、お土産に購入したい方は、ラヴォー地区散策の最後にヴィノラマに寄るといいでしょう。おすすめ散策コースは、ヴェヴェイから~シェーブル(Chexbres)まで電車で移動し、リヴァまで歩いて散策。そして最後にラヴォー・ヴィノラマを訪れるコース。美しい景観を100%楽しんで、最後にお土産を買って帰れるコースです。


 スイス随一の古城 シオン城

レマン湖エリアの最後を飾るのはシオン城。モントルーで一番人気の観光名所です。湖に突き出た岩盤の上に建つシオン城。湖に浮かぶようにも見えるこの古城は、イギリスの詩人バイロンの詩「シオンの囚人」の舞台としても有名な歴史あるお城です。外から見るお城も美しいですが、お城の中から外を眺めると本当に湖に浮かんでいるよう。お城の中からも幻想的な風景が広がります。城内では、当時の食堂や客間、寝室やトイレが見られるほか、拷問室や礼拝堂が見学できます。日本語オーディオガイドもありますので、じっくりとお城の歴史を見て回ってみてください。

モントルー駅からシオン城までは、徒歩で3040分ほど。お時間がある方は、湖畔を散歩しながら向かうのもいいのではないでしょうか。その他、バスや鉄道、遊覧船でもアクセス可能です。シオン城の売店には、ここでしか手に入らない限定ワインもありますので、ワイン好きはそちらも要チェックです。

さてさて、ここシオン城で1週間のスイス観光も終わりです。
大自然の絶景、古くから残るヨーロッパの美しい街並み、山岳地帯ならではのアクティビティーや美味しいワインを堪能した1週間。今回、ほとんどの移動が鉄道利用でしたが、スイスはどの路線を通っても景色が良いので、長時間乗車していても飽きることがありません。運航ダイヤも正確で、乗り換えがスムーズにできるように接続時間なども綿密に調整されている上、駅やバス停の案内板もわかりやすいので、非常に観光がしやすいです♪それもスイスの魅力のひとつ。海外旅行初心者や、個人旅行、一人旅にもおすすめの国なのです。

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