ツール・ド・フランス第19ステージのツールマレ―峠は、ルルドを始点とし、ラランスをゴールとするコースのど真ん中にあります。
2018年の第19ステージは最後の山岳地帯でもあり、アスパン峠(11.5km/6.7%)からツールマレ―峠(17.2km/7.2%)を抜け、スロー峠(19.1km/5.2%)、そしてオービスク峠(4km/4.8%)を越える、獲得標高差4,700mの厳しいコースとなっています。
その中でも2115mを誇るツールマレ―峠はピレネー山脈の中でも一番高い峠であり、始点ルルドからの標高差は1,707mです。
.jpg)
ツールマレ―峠が初めてツール・ド・フランスに登場したのは1910年第8回大会のことでした。主催者のアンリ・デグランジュは新たな難所として初めてピレネーをコースに追加しました。当時の常識をはるかに超える新しい試みでしたが、その中でも難攻不落の峠の筆頭として、ツールマレ―峠を取り入れました。
その際にデグランジュはジャーナリストのアルフォンス・ステインズをコースの視察に送り込みました。ステインズは大雪の晒され、過酷な状況ながらよじ登り頂上までたどり着きました。その後デグランジュに「ツールマレ―峠はとても素晴らしいコースです。登頂は可能です」との電報を送りましたが、その文面にはツールマレ―登頂がいかに困難なのか全く書かれず、そのままこの山岳ステージが始まりました。
それ以来、峠としては最も多くツール・ド・フランスのコースに含まれています。
夏場でも天候が崩れれば降雪する過酷な環境の中で、勾配平均7%の山道を選手たちは登っていきます。サント・マリー・ド・カンパンからの登りは17.2km(標高差1268m)、最大勾配は12%。選手たちを苦しめていきます。
山頂には1910年ツール・ド・フランスで優勝したオクタヴ・ラピーズの像が建てられています。
そんな100年以上の歴史があるツールマレ―峠でツール・ド・フランスを今年こそ応援してみてはいかがでしょう。