島の南の町サンピエールを出発し県都サンドニへ向かう全長164キロメートル獲得標高は10000メートル近いこのコースはその過酷さゆえに別名「Diagonale des Fous(愚か者の対角線)」と呼ばれています。
このDiagonale des Fousはレユニオン島にとって最大のスポーツイベントであり、完走すること自体が島民にとって英雄となる一大イベントです。
そのため、大会当日は深夜にもかかわらずすさまじい観客が集まり、花火は随所でジャンベのリズム、野外ライブなどが行われながら、この過酷な旅へのスタートを盛大に応援してくれます。
レユニオン島はフランスの海外県の一つでインド洋上、アフリカ東海岸沖のマダガスカルのほど近くに位置しています。
すぐ隣のモーリシャスはビーチリゾートとして大変有名ですが、レユニオン島は日本人にはまだあまり知られていないようですので、この機会に紹介していきたいと思います。

元々はポルトガル人によって発見された無人島でしたが、その後17世紀にはフランス領となり多くのフランス人の入植者と連れてこられたアフリカ系の人々によって開拓され、現在でもフランス領の海外県となっています。
そのためクレオールと呼ばれるアフリカ系と白人系入植者との混血の子孫が多く、さらに19世紀以降に移り住んできたインド系や中華系など様々な人種が入り混じって独特な文化を作り上げています。
言語は主にフランス語に現地の言語を取り入れながら発展したフレンチクレオールという言語が話され、レユニオン島の独自の文化もクレオール文化と呼ばれています。
500万年前の海底火山によって形成されたこの島の中央には今は活動を停止したピトン・デ・ネージュという標高3069メートルの島の最高峰があり、南東部にはピトン・ド・ラ・フルネーズという標高2632メートルの活火山がありそれぞれ大きなカルデラの一部となっています。
その繰り返された火山活動によって形成された独特の自然美は世界遺産にも登録されています。

その自然が生み出した地形は絶景そのもので、ここかしこに美しい滝が見られ亜熱帯気候独特の生態系にも出会うことができ、世界中からトレッキングやキャニオニングなどを楽しみに多くの観光客がやってきます。
またビーチリゾートとしても名高く、美しい浜辺でシュノーケリングやウォータースポーツも人気です。
ただし、場所によってはシャークアタックが発生していますので、必ず安全な場所かどうか確認の上で海に入りましょう。
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また前述したようにこの島では様々な人種が交じり合いるつぼとなっているため、料理も独特な進化をしたクレオール料理といういろいろな国の料理の要素が取り入れられています。
加えて多くの外国人がやってくるリゾート地でもあるため、それに合わせて町では多国籍なレストランを見かけることが出来るでしょう。
コメが主食として食べられていますが、食材の多くはマダガスカルから来たものが多く、サン・ドニの市場ではトロピカルな野菜やフルーツが並んで、多くのローカルの人々で賑わっています。
中でもクレオール料理の代表と言えるのが「ㇽガイユ」です。
これは元々はインドを起源とする料理がレユニオン島風にアレンジが加わっていったもので、トマト、オニオン、生姜のスライスに食材を煮込んだ料理で、ソーセージを入れた「ㇽガイユ・ソーシス」が大変有名です。
この「ルガイユ・ソーシス」はグラン・レイド・レユニオンの主要エイドのいくつかでも振舞われ、非常においしいと人気です。
屋台などでも食べることが出来るので、是非一度試してみて下さい。
そして食後酒にはラム・アロンジェという南国フルーツをつかったラム酒を飲んでトロピカルな気分に浸ってみるのはいかがでしょうか。

自然、文化、食と大変多くの魅力に満ち溢れたレユニオン島ですが、日本から遠く離れなかなか気軽には訪れることの出来ない島ですので、是非この機会に時間が許す限り満喫していってください。