ムンクと表現主義【ノルウェー情報】


オスロは、『叫び』などの作品で知られるエドヴァルド・ムンク(1863~1944)が生涯のほとんどを過ごした地です。
叫びの舞台となった場所や、オスロの至るところに彼の作品が見られるなど、オスロ観光ではムンクに触れることが多いでしょう。

ムンクと言えば『叫び』が最も有名な作品ですが、実は1902年のベルリンでの個展で発表された「生命のフリーズ」という22の絵画のうちの一つなんです。
叫びの主題は彼自身の実体験であり、オスロのとある道を歩いているとき、血のように真っ赤に染まった空に青黒いフィヨルド、その光景に突如不安に襲われた心情が表現されていると言われます。

このように対象の外部の特徴にとらわれず、画家の精神をそのまま絵画に表現する手法は表現主義と呼ばれ、ムンクはその巨匠とされています。
彼の作品には「死」や「孤独」といったテーマが読み取れますが、その作風には彼の生い立ちが深く影響しています。

5歳の時に母を結核で亡くし、その後姉も同じ結核で亡くなり、ムンク自身も体が弱かったため、家の中で過ごすことが多かったといいます。
「生命のフリーズ」は、フランス留学中、父の死をきっかけに鬱に陥っている只中に、孤独の中で構想を練ったものだそうです。
ベルリンでの個展以後も安定した私生活とはならず、愛人とのもみあいから事故でピストルが爆発し、左中指を失うという怪我を負いました。
それ以来アルコールにおぼれ、1908年からはコペンハーゲンでの入院生活を送っていました。

しかし、退院後ノルウェーに戻りオスロ郊外で暮らすようになると、彼の作風にも変化が見られます。
光ある明るい色彩を用いた作品を描くようになり、81歳で亡くなるまでこの地で精力的に製作を続けました。

ムンクが生涯で残した作品は4万点にものぼると言われます。
作品はすべてがオスロ市に寄贈され、現在ムンク美術館や市内の国立美術館で見ることができます。
オスロ郊外にあるムンク美術館では、作品のすべてを展示しきれず、地下にも多くの作品が眠っているそうです。
そしてあの有名な『叫び』は国立美術館に展示されています。

ムンクの生涯に思いを馳せながら、オスロを旅してみてはいかがですか?

【ムンク美術館 / Munch-museet】
住所:Tøyengata 53
時間:毎日10:00-17:00(5/12~9/9)、土~火10:00-16:00(10/1~5/11)
定休日:水曜~金曜(10/1~5/11の間のみ)
料金:120NOK、学生60NOK
公式HP:munchmuseet.no(英語)

【国立美術館 / Nasjonalgalleriet】
住所:Universitetsgata 13
時間:火・水・金10:00-18:00、木10:00-19:00、土・日11:00-17:00
定休日:月曜
料金:50NOK(日曜は無料)
公式HP:www.nasjonalmuseet.no(英語)


北欧周遊ツアー








ヨーロッパ周遊旅行の専門店 ユーロエクスプレス
ユーロエクスプレス

  • ノルウェー
  • オスロ
  • ムンク
  • ムンク美術館
  • 表現主義
  • 国立美術館