パリ・ルーベ スタート地点~コンピエーニュ~


今年4月8日に開催される「クラシックの女王」の異名を持つワンデーレースパリ・ルーベはその優雅な名前とは裏腹に過酷を極めるレースとなっています。
歴史があり非常に格調高いクラシックロードレースの一つで、ツール・デ・フランドルリエージュ〜バストーニュ〜リエージュと同様モニュメントと呼ばれ、今年で116回目を迎えます。
コースは全体的にフラットですが、その260㎞の内全長50㎞は大きな石が粗く敷き詰められた石畳となっており、ただでさえ自転車操作が困難な上に、雨天では石が非常に滑りやすくぬかるみでタイヤをとられ、晴天でも舞い上がる砂ぼこりで選手たちの視界を奪います。
そのため毎年多くのケガ人を出すにもかかわらず、その過酷さに魅了された選手達が毎年多く参加し、それを一目見ようと世界中から観客が集まってきます。


そしてこのレースのスタート地点となるのがパリの北東80㎞ほどのところに位置する町コンピエーニュです。
コンピエーニュといえばまず思い当たるのはジャンヌダルクでしょう。
英仏100年戦争の後期、ロレーヌ地方のドンレミ村の少女ジャンヌは大天使ミカエルのお告げを受け、当時国土の大半をイングランドに占領されていたフランス解放にわずか16歳の若さで立ち上がり、シャルル7世を助け、困難と言われていたオルレアンを解放し「オルレアンの乙女」と呼ばれました。
その後も常に軍の先頭に立ちイングランドを押し返し、敗色濃厚だったフランスの町を次々と開放していきました。
しかし快進撃を続けていた彼女がついに捕らえられたのがこのコンピエーニュです。
一説にはジャンヌの活躍に嫉妬したフランス側の誰かの策略に嵌められたとも言われています。
その後彼女は魔女の嫌疑をかけられ異端審問にかけられ火刑に処されることになりましたが、現在ではフランスの救国の英雄としてフランスの聖人の一人として人々の崇敬を集めています。

コンピエーニュのジャンヌダルク像と市庁舎

その他にも第一次、第二次大戦のドイツとの停戦協定が行われたりと歴史的に非常に重要な意義を持つ町でもありますが、まず町の見どころとして欠かすことが出来ないのが、町の中で圧倒的存在感を誇るコンピエーニュ宮殿です。
パリ・ルーベはこの宮殿の前のジェネラルドゴール広場がスタート地点となっており、当日は大勢の観客で広場が埋め尽くされます。
この宮殿はルイ15世によって建造され、ナポレオン1世により改装された後、とりわけナポレオン3世によって非常に愛され多くの招待客を集め舞踏会などが催されました。現在では美術館として開放されており、ヴェルサイユ風の豪華な調度品から帝政期の新古典主義のものまでご覧いただけます。

コンピエーニュ宮殿

ジャンヌダルクの足跡に興味のある方は是非サンジャック教会を訪れてみて下さい。
これはゴシック様式の教会でジャンヌダルクが捕まる日の朝祈りを捧げたことで有名です。
中ではジャンヌダルクの絵を見ることが出来ますし、町を歩いているとジャンヌダルク像をいろんなところで見つけることが出来るでしょう。

サンジャック教会

また他にも市庁舎やジャンヌダルクの塔、サンコルネイユ修道院といった歴史的建造物に出会うことが出来ますし、天気が良ければ穏やかなオワーズ川沿いの公園でゆったりと過ごすのもいいでしょう。

過酷なレースの選手たちの戦いのスタート地点となるこの町で、かつての波乱の歴史に思いをはせてみるのもよいのではないでしょうか。






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