ローママウンテンバイクツアー "アッピア旧街道、カタコンベ、ローマ水道橋"


 イタリアの首都、3000年の歴史を持つ「永遠の都」ローマへようこそ。
ローマは町全体が遺跡といっていいほど、多くの歴史的建造物が街の景色に溶け込み、調和しております。
ローマを歩けば遺跡に当たると言っても過言ではありません。
しかし、今回ご案内するのはそんなローマの市街を少し外れた場所を巡るサイクリングツアーです。
世界中から観光客が殺到するローマの観光中心地を少し離れるとまた違った景色が見えてきます。
そんな都会の喧騒を離れたところを現地を知り尽くしたイタリア人ガイドと一緒に歴史街道を自転車で走ってみませんか?

バイクレンタルショップを出発し、まずはカラカラ浴場へと出発します。
カラカラ浴場はローマ3世紀前半に皇帝カラカラの命によって建造された巨大な浴場跡です。
ローマ人にとっては浴場はコロッセウムと並んで娯楽施設の一つでしたので、庭園も備えた非常に壮麗で立派に作られておりまるで宮殿のような趣を呈しておりました。

ちょうどカラカラ浴場付近から現存するローマ街道の一つで郊外へ続く最古の街道、街道の女王の異名を持つアッピア街道の石畳が南東へと延びていきます。
ローマはインフラ整備に非常に力を注ぎ、ローマを中心に各地へと街道が整備され、そのため「全ての道はローマに通ず」と呼ばれるほどでした。
アッピア街道もその一つで主に軍用道路として紀元前4世紀から前3世紀にかけてローマから南イタリアのブルンディシウム(現ブリンディジ)まで全長500km以上の街道が敷設されました。
そして2300年の長い年月を経た今でも街道の一部は使用さえており、ローマ郊外の石畳もその一つで重要史跡とされています。
このサイクリングコースではこのアッピア街道の趣ある石畳をマウンテンバイクで走りローマの歴史を辿って行きたいと思います。

カラカラ浴場跡を過ぎ石畳を進んでいくと今度は3世紀後半に建造されたローマを囲むアウレリアヌス城壁とその門の中でも最大規模を誇り、最も保存状態の良いサン・セバスティアーノ門が見えてまいります。
この城壁は異民族の侵略への対抗策としてローマが急ピッチで建造したもので、サン・セバスティアーノ門はアッピア街道がここを通っていくため建設当時はアッピア門と呼ばれていました。

更に進むとカッファレラ公園を通り抜ける道へと入って行きます。
古い石とレンガ、漆喰でつくられた塀に挟まれは細い道で車も通るのですれ違う時は気を付けましょう。
少し進んだあとサンカリストゥスカタコンベを見学します。
カタコンベとは地下墓所のことで広義には地下の墓所として使われた洞窟なども含みますが、狭義にはキリスト教の教会の地下墓所を指します。
この付近には多くのカタコンベが存在しますがサンカリストゥスのカタコンベはローマ教会の公式な墓所で16名の教皇と30名の殉教者が埋葬されており、それにふさわしい装飾が施され、地下数層にわたっております。
このカタコンベの入場が難しい場合はサンセバスティアーノのカタコンベを訪れます。
は小さいながらもローマ7大聖堂の一つでもある聖セバスティアーノ大聖堂はこのカタコンベの上に建てられました。
かつてはカタコンベと言えばここのカタコンベのことを指しており、ペテロやパウロも一時ここに埋葬され、またローマ教会によれば宗教画のテーマとして有名な矢を射られた聖セバスティアヌスの聖遺物もここに保管されており、由緒正しいカタコンベであり、やはり地下数層にわたっています。

カタコンベを後にすると今度はマクセンティウスの競技場が見えます。
これはかつてローマ時代、紀元4世紀前半につくられたキルクスという戦車競技を行うための競技場で最も保存状態の良い競技場遺構の一つです。
そしてすぐそばにはチェチーラ・メテッラという紀元前1世紀の貴族の妻の為につくられた立派な墓があります。

外観は中世の城のようですが、それもそのはず14世紀に墓の上に防壁が付け加えられています。
更に進んでクインティーリ荘という紀元2世紀の有力貴族クインティリアヌスの邸宅の遺構まで行き、またローマ市街方面へと自転車を向けます。
そして最後の見どころローマ水道橋公園へ行きます。
このローマ時代には11本の水道がローマへと水を運んでおり、そのうち6本の遺構を非常によい保存状態でこの公園内で見ることができます。
さらにもう一本16世紀につくられた水道もあり、この水道は現在でも使用されています。
水道橋公園を見学後はカファレッラ公園を通りながらローマ市街を目指して戻って行きましょう。


アウレリアヌス城壁にアッピア街道の整備、水道の整備、さらに疫病を避けるためにつくられた郊外の地下墓所などこのコースではいかにローマが街の防衛、衛生環境、インフラ整備などいたるところに気を配っていたかがきっと理解でき、よりいっそうかつてのローマ、そしてローマ人たちの生活がイメージできるようになるのではないでしょうか。
マウンテンバイクで走るので石畳の道も走りやすく、体力に心配な方も電動アシスト自転車へ無料でアップグレードできますので安心です。

ローマ市内観光が済んだ方、すこし静かで落ち着いたところを観光したい方、穴場を巡りたい方や少し体を動かしたい方にお勧めです。
目立たないですが真にローマを支えた原動力はこのコースにこそ見出せるはずです。









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