中間エイドのBuzet88kmを後にして、次のエイド100㎞地点のHUM(フム) 「ギネス認定世界一小さな町」を目指します。
【何度も川を渡るコースへ】
Buzet88kmからは谷あいの運河に沿った堤防の林道をしばらく走ります。ほぼフラットで走り続けられるコースです。
さすがにそれなりに足は痛いですが、まだジョグは十分できる足が残っています。
徐々に山の距離が近くなり、緩やかに上り始めます。この辺りはおとといまでの雨でかなりトレイルがぬかるんでいてマッドコンディションです。
さらに何度も小川を渡るため、できるだけ足をぬらさないように石や岩の上を慎重に渡ります。
足をぬらしてしまうとふやけて豆を作る原因になり、まだこれから10時間以上かかることを想定すると、できる限り足は濡らしたくありません。
平坦な林道も私はひたすらストックを突き続けます。 一歩進むごとに一突き、ひたすらカチャカチャカチャカチャとストックを突き続けます。
ストックを突くだけで、足にかかる体重は2~3㎏軽減されます。それは一回ごとの差は小さいですが、それを何万歩と繰り返せばそのわずかな差が大きな差になります。
なので、平坦も下りも基本ストックを突き続けます。そのため肘が痛くなってきます。いつも左ひじがすごく痛くなりますが、足の痛みよりはましです。
淡々と進み続け、Buzetのエイドをかなり前に出たランナーも捕らえ始めます。日が昇り、だんだん気温が上がってきます。
おそらく日中はかなり熱くなりそうです。真っ青な青空が広がっています。
徐々に山深くなってくるとシングルトラックの登りに入ります。 一昨日の視察オプショナルツアーで見た道が出てきて、もうすぐ世界一小さな町HUMです。
視察ツアー時は小雨のぱらつくどんより天気でしたが、今日は快晴のHUMです。
見覚えのある町に着くと安心します。ここで100㎞到達です。
100マイルレースで中間点の到着と100㎞の到着は、感覚的に非常に大きく違うように私自身は感じます。
まだ約70㎞あるわけですが、100㎞に到着するとどこどなく「ゴールが近づいている」という感覚を覚えます。
そう感じられるのは体調がよい証拠です。内臓がやられていたり、足が完全に終わっているときは同じようには感じません。
70㎞もあると、体調が悪いと絶望してリタイヤを考えてしまう場合も出てきます。
HUMのエイドは教会の鐘塔の建物の中です。約1000年前の建物