2018 5/2-10 インドネシア・RINJANI100参加ツアー 参戦記② いよいよスタート~前半編 


インドネシア国歌をスタートエリアで斉唱し、いよいよ号砲が放たれます!
100㎞ 獲得標高9200m、最高地点3726m、過去完走者合計たった5名!という未知の世界へ走り出します!

【スタートからリンジャニ山頂3726m】

標高約600mのセナル村をスタートすると、すぐにロードの峠道を上ります。スタートは60㎞と100㎞のカテゴリーが同時にスタートするため、約500名が一気にスタート。


60㎞の選手はかなりのスピードで突っ込むため、ここでつられてしまうと特に100㎞の選手は地獄を見ます。周りにつられないようにとにかく抑えて進むことを心掛けます。


3000mを超えると、序盤に消耗しているといきなり高山病になったり、全く進めなくなるので、そこまではとにかく温存するペースでいく必要があります。


他の参加者の多くは息を切らせて突っ込んでいきますが、ここで息が切れているようでは3000mオーバーでペースダウン必至です。


コースはすぐにダートのダブルトラックに入りますが、軽自動車が通れるくらいの道幅なので渋滞の心配はあまりありません。歩きやジョグを混ぜつつ、スタートからストックを使って少しでも足の消耗を抑えつつ進みます。

序盤の山は、非常に日本の山に似た黒土の急登になります。木の根っこがたくさん張り出し、かなり大きな段差の登りが続きます。

センバルン村がかなり寒かったので、ファイントラックの長袖を着たのですが、森の中は風もなく予想外に暑く、序盤は半袖でよかったかな、と若干長袖を着た事を後悔します。


かなり汗をかいたので、脱水にならないように積極的に給水します。

1500mを超えてもまだかなり熱く、長袖を脱ぐべきか迷いますが、1800mを超えるころから装備がちょうどよくなり始めます。


スタートから標高2600mのセナルリム10.5㎞の第1エイドまでは、獲得標高2000m!を10.5㎞で一気に登り続ける鬼設定です。第1エイド手前2㎞は相当な急登になり、一部かなりザレていて、私のトレラン人生で初めてゲイターを付けます。ゲイターがないと火山灰の小石や砂が相当靴に入ってきますので、この選択は正解でした。


2300mを超えると、スタートからオーバーペースで飛ばしていった60㎞の選手たちがぞろぞろとペースダウンして落ちてきます。

スタートから想定外の暑さで1L分のフラスクがすっかり空っぽになってしまったので、第1エイドでしっかり補給します。エイドではポカリスウェットの粉の小袋が配られていて、脱水予防には大変助かります。ドライフルーツやチョコバー、バナナ、スイカ、カップラーメンなどが用意され、エイドの品ぞろえは十分です。


【再び-600mの激下りへ】

スタートの600mから2600mまで約2000mを上ってきましたが、この第1エイドのセナルリムからはリンジャニの巨大カルデラ湖まで一気に600mを再び下らされます。この下りのおかげで22㎞で3800mというありえない獲得標高を実現しています。

この下りが激烈にテクニカルで、はしごや鉄パイプを伝って両手を使わないと下れないような崖ポイントが頻発します。ここでのミス、転倒は致命傷となるテクニカルな下りです。


相当な注意を払って、転倒しないように慎重に下ります。大きな岩場が連続し、そうそう走れません。


この下りが非常に長く感じ、どんどんリンジャニ山頂が遠のく気がして、げんなりします。

標高約2000mまで下るとやっと湖畔に到着します。この湖畔はリンジャニトレッキングのキャンプ地となっており、多くのハイカーさんがキャンプしています。皆ランナーを応援してくれます。湖に落ちるスレッスレのほそーいトレイルを進みます。一歩間違うとドボンです。
と思っていると、どう頑張っても水に入らないと渡れない川の渡渉地点が現れ、やむなく片足をドボンして渡ります。


この写真の右手の外輪山を超えて、湖畔迄一気に下り、再度2700mのセンバルンリムまで登り返します。


しばらく湖畔を進むと再び目の前に絶壁のようなカルデラの外輪山が現れます。ここから再び700m上ると2700mの第2エイド「センバルンリム」です。


ここの登りはナイトトレイルでの絶壁の連続で、両手を使ってよじ登る岩場が何か所も出てきます。22㎞で3800m上るなんてことが可能なのか?とスタート前は半信半疑でしたが、ここにきて「ああ、こういうコースならできるよね22kmで3800m、これだけ急なら行くよね」と半分呆れ笑いが出ます。


コースマーキングはもはや「前」ではなく、「上」を見上げて探さないと、どこがコースなのかわかりません。上を見上げると頭上にリフレクターの着いたマーキングがひらひらと風になびいています。


この辺に来ると60㎞カテゴリーでスタートから飛ばしていった選手も、スローダウンして落ちてきます。高山病に近い症状で座り込んでいる選手も多数現れます。


幸い私は標高への順応がうまくできたようで、非常に快調に上ります。しかし調子に乗ってオーバーペースになるとまだまだこの先3000mから先は別世界です。慎重に余裕をもって進みます。


湖畔からセンバルンリムの第2エイド2700mまではなかなか時間がかかりました。

このセンバルンリムも、ハイカーさんのリンジャニ頂上アタックの拠点のキャンプ地で、多くのテントが張られています。ツアーでは応援やサポートのご家族の応援登山でここでキャンプをしながら選手を待つことができます。


そして実際に応援、サポートスタッフやご家族も、現地ガイドともにリンジャニ山頂に上るオプショナルプログラムが用意されています。


【核心部、リンジャニ山頂3726mへアタック】

この2700mのセンバルンリム第2エイドから、いよいよこの大会の最も核心部といえる、リンジャニ山頂3726mへのアタックが始まります。

センバルンリムのエイドは、36㎞。60㎞のランナーがちょうど集まり、かなりごった返していました。
かなり寒いので、さっそくラーメンを食べようと思いましたが、お湯を沸かすことが追い付かず、お湯がないとのことで、やむなくバナナとビスケットを頬張り、コーラを少し飲んで水を補給してエイドアウトします。

さあ、ここからがこのレース最大のハイライトであり難所の「リンジャニ山頂3726mへのアタック」が始まります!

つづく…










ヨーロッパ周遊旅行の専門店 ユーロエクスプレス
ユーロエクスプレス

  • インドネシア
  • ロンボク
  • RINJANI100
  • リンジャニ
  • 100km
  • ウルトラトレイル
  • UTMF
  • UTMB