まるで中世の世界:キジ島


キジ島はオネガ湖上にあり、ペトロザヴォーツクから北東に約68km離れた小さな島です。元来、フィン族が民族固有の宗教儀式を行う場所でしたが、12世紀からロシア人の入植が進み、ロシア人の村ができました。
キジ島は現在、島全体が景観保護区となっています。ユネスコの世界遺産に登録された木造教会をはじめ、民家、風車などがのどかな農村風景を醸し出していますが、これらの建築物は付近の村から移築したものがほとんどで、いわば日本の明治村のようなものとなっています。
春はあたり一面野生の花々に覆われ、夏は農夫たちが黙々と牧草狩りに勤しみます。まるでロシアのスカースカ(昔話)の世界に迷い込んだような場所です。キジ島の人口は現在約60人。しかし本当の住人は2,3人で、あとはペトロザヴォーツクから来ている人や仕事でここで勤務している人です。夏はのどかですが、冬はオネガ湖が凍り、町との交通はヘリコプターだけが頼りとなります。しかし、いざとなったら湖を歩いて渡るのだとか!



キジ島の行き方
ペトロザヴォーツクからキジ島へ水中翼船で約1時間15分。切符は港ターミナル付近のカッサで購入できます。シーズン中は大変混むので予約が必要となります。ペトロザヴォーツクからの船は、島の西側にある船着場に着きます。周囲にはお土産屋、郵便局、売店、小さなカフェなどがあります。敷地内では飲食が禁止されているので、食事はここで済ませておきましょう。
湿地に板を渡した歩道の先にチケット売り場があります。さらに右側(南)に進むと、燃え立つ黒い炎のようなシルエットのプレオブラジェーンスカヤ教会が見えてきます。プレオブラジェーンスカヤ教会をはじめ、島の南側には移築された木造建築が密集しています。
時間に余裕があり、南側の建築群を満喫したら、次は島の北側も探索してみましょう。こちらにも古い木造建築が移築、保存されていますが、その多くは今も実際に人が住んでいる現役の建物となっています。
小さな集落や教会、風車などを訪ねながら歩いて行くと、北の端まで約5kmぐらいとなります。島は細長いので、どの道を通っても迷うことはありません。でもあんまりのんびりしすぎて予約した船に乗り遅れることは無いように気を付けましょう!








ヨーロッパ周遊旅行の専門店 ユーロエクスプレス
ユーロエクスプレス

  • ロシア
  • キジ島