スイスにあるル・コルビュジエの作品を見に行きましょう!


チューリッヒのル・コルビュジエ・パヴィリオン

近代建築の父といわれるル・コルビュジエ(Le Corbusier)、本名 
シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ(Charles-Edouard Jeanneret 1887年~1965年)。スイスの時計産業の中心、ラ・ショード・フォンで腕時計の装飾職人の父と音楽の先生の母との間に生まれました。13歳で地元の装飾美術学校に入学。在学中に校長の勧めで建築家とともに、家を建てたことで建築に目覚めます。ちなみに、名前ル・コルビュジエは、パリで前衛芸術家達と創刊した雑誌レスプリ・ヌヴォー(L'ESPRIT NOUVEAU)」に寄稿した際のペンネームで、母方の曽々祖父の名前をとったそうです。20代前半は、イタリア各都市、ブダペスト、ウィーン、ドイツ、フランスなど様々な国を訪れ、時に数ヶ月工房で働いています。ウィーンでは、分離派メンバーでウィーン工房を立ち上げたヨーゼフ・ホフマン、コロマン・モーザーや世紀末画家の代表グスタフ・クリムト、ベルリンではバウハウスの創設者ヴァルター・グロピウスや3代目校長ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ等と知己を得ました。

30歳で生まれ故郷のラ・ショー・ド・フォンからパリに移住しています。彼の
作品は世界各国にありますが、その中からフランス、スイス、日本(国立西洋美術館)、ベルギー、ドイツ、アルゼンチン、インド7カ国にある17の建物が、2016年世界遺産に登録されました。 

今日はスイスで見学できる、ル・コルビュジエの作品をご紹介しますね。

まず、チューリッヒ湖畔にある「ル・コルビュジエ・パヴィリオン」。近年改装工事のため休館していましたが、この週末2019年5月20日に再オープンしました!この建物はル・コルビュジエの家具を商品化した女友達ハイディ・ウェーバーのために設計した彼の最後の作品。スチール(鉄骨)とガラス、カラフルなエナメルプレートを使用して作った家。チューリヒホルン公園の広大な緑に囲まれた敷地内にあり、とても気持ちがいいので、チューリッヒでお時間があれば、是非お出かけ下さい。
夏期のみ開館 2019年5月11日〜11月17日 火曜〜日曜 12時〜18時(木曜は12時~20時まで)
住所:Höschgasse 8, 8008 Zürich
アクセス:チューリッヒ中央駅からトラム4で10分、バス停
Höschgasse下車、その後、徒歩5分。

写真 Pavillon le Corbusier HPから

次に、故郷のラ・ショー・ド・フォンで両親のために建てた家(ジャンヌレ邸=メゾン・ブランシュ=白い家)をご紹介します。この家は1912年、25歳のコルビュジエが独立して初めて手がけた家で、
 後に建築業界を揺さぶる彼の様式の萌芽が随所に見られると言われています。行き方は、ラ・ショー・ド・フォン駅から203番か210番のバスでバス停Bois du Petit-Chateuで下車後、徒歩10分。道にはMaison Blanche(白い家)と書かれた標識が立っているので、分かりやすいと思います。ラ・ショー・ド・フォンでは、Maison Blanche以外も、20代に彼が手がけた家5軒、内部見学はできませんが外側から見られます。
「メゾン・ブランシュ」la Maison blanche  開館 金土日の10時~17時


本人はパリに移住する前、両親と3年間住みました。柱がなく、画期的な広々とした居間。花柄の壁紙は自作
写真 La Maison Blanche HPから

その他のラ・ショー・ド・フォンにあるル・コルビュジエの建物はこちらをご覧下さい。Archtectourism HPより

 

ラ・ショー・ド・フォンはジュラ山脈の麓にあるスイス時計産業の中心地で世界遺産の町。町が碁盤の目のように整然とし、建物は全て4階から5階で南向きに並んでいます。18世紀末期の大火災で殆ど焼けてしまった町を、時計作りに適した形で再建しました。無料の展望スポットのテラス・トゥール・エスパシーテから町を一望してみて下さい。また、ヨーロッパ最優秀博物館賞を受賞した国際時計博物館は、時計に興味がない人でも見入ってしまうほど素晴らしいです! ラ・ショー・ド・フォンは、ベルンから鉄道で直通1時間。チューリッヒからビール(ビエンヌ)乗換えで2時間強です。スイスのご旅行中に訪れるお客様は少ないのですが、時計やコルビュジエにご興味があれば、おすすめいたします。 

ラ・ショー・ド・フォン(La Chaux-de-Fonds)の建物 地階が部品工場、中階が自宅、明るい上階が組立工房


次に、世界遺産に登録された、レマン湖畔の小さな
家(Petite villa au bord du lac Léman)をご紹介します。こちらは、年をとった両親のために、標高1000mのラ・ショー・ド・フォンより温暖な気候のレマン湖畔ヴヴェイ郊外コルソーCorseauxに建てた小さな家(1923年)。1924年に両親は、ラ・ショー・ド・フォンのメゾン・ブランシュから移住。父親は1年間のみの居住でしたが、母親は1959年、100歳まで暮らしました。

この家はレマン湖から窓までわずか4メートル。横長の大型窓からは、美しい湖とその向こう広がるアルプスの情景が望めます。また庭の石壁の小窓からも、絵画のようにレマン湖をみることができます。長さ20m、幅3mと小さな家ですが、作り付けの家具、天井や窓からの採光、家具をパーテーションにも活用できる機能的なレイアウト、屋上の緑など、老齢の両親が快適に暮らせるように考えられた個人住宅の傑作です。2010年から「ヴィラ・ル・ラク(ル・コルビュジエの「湖の家」)Villa «Le Lac» Le Corbusier」として一般公開されています。
 「ヴィラ・ル・ラク」Villa "Le Lac" Le Corbusier
住所:Route de Lavaux 21, 1802 Corseaux ヴヴェイ駅から徒歩20分。
開館 土日の14時~17時

  写真 Villa le Lac Le Corbusier HPから


最後に、こちらも世界遺産に登録された、ジュネーブのイムーブル・クラルテ(
Immeuble Clarté)。1930年から32年に彼が初めて手がけた集合住宅です。現在も住居として使用されているので、外部のみの見学となります。この建物では、ガラスを多用し、48部屋(8階建てで各階8部屋)全てに光が行き渡るように工夫され、明るく機能的な空間を創り出しました。90年も前の集合住宅ですが、とっても現代的ですね。
Rue Saint-Laurent2-4, 1207 ジュネーブ 
ジュネーブ市内、自然史博物館近くです。


 写真 世界遺産オンラインガイドから

 ル・コルビュジエ、世界遺産オンラインガイド 
ル・コルビュジエは、建築のみでなく、絵も描き、彫刻もし、詩も残しています。キュビズムやシュールレアリスムのような素敵な作品です。ご興味あれば、
ギャラリー・タイセイHPへ


スイスはマリオ・ボッタや、ペーター・ズントー(ツムトアー)、ジャン・ヌーベルなど世界的な建築家を多く輩出しています。スイスエクスプレスでは、建築を巡るツアーをご提案しています。こちらのツアーをご参考にして、お客様オリジナルのプランもお創りいたします。ご興味ある町や行きたい場所などをお知らせ下さいね。

また、ドイツのバウハウスは今年2019年は創立100周年。ドイツエクスプレスでは、バウハウスを巡るツアーをご提案しています。ご興味あれば、ご覧下さい。(ドイツエクスプレスHPへ) 








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