俳優ブルーノ・ガンツ氏とハイジ映画ロケ場所について


写真 Kino Flimsから

スイスを代表する俳優ブルーノ・ガンツ氏(1941-2019)。今年2019年2月16日にチューリッヒの自宅で亡くなりました。チューリッヒ出身のスイス人です。舞台やドイツ映画、さらには国際的な映画界で活躍していました。母親がイタリア人だったので、ドイツ語以外に数ヶ国語も話せたそうです。

彼を最初に知ったのは、2004年「ヒトラー~最期の12日間~」(元タイトル Der Untergang 日本公開2005年)。邦題通り、ヒトラーが総統地下壕で自決するまでの12日間を描いた映画。ガンツ氏の演技は絶賛され数々の賞をとりました。次に見たのは、2015年「ハイジ アルプスの物語」のおんじ役。同じ人かと見紛う変わりぶりに驚きました。無骨で頑固だけど、優しいおじいさん役がぴったりでした。まだ若かりし頃、ヴィム・ヴェンダース監督の「ベルリン 天使の詩」(1987年)にも天使役で出演してたのですね。
日本映画「バルトの楽園」2006年や、1998年カンヌ映画祭の最高賞であるパルムドールに輝いたテオ・アンゲロプロス監督の「永遠と一日」にも出演しています。ドイツ語圏を代表する名優でした。

2005年のSwiss Infoのインタビューでは、ハイジ映画プロモーションのための訪日後、次のように日本の印象を語っています。
「ドイツの監督のヴィム・ヴェンダースと仕事をしたとき、彼が小津安二郎監督の話をしてくれたことを覚えています。日本映画を通して、三島由紀夫にも興味を持ち、彼の作品を何冊も読みました。・・・省略・・・日本を訪問し、非常に感動しました。京都では、竜安寺などの寺めぐりをしました。観光客の騒音などは忘れることができるくらい、お寺は心が静かになれるところです。」


紹介した映画では、やはり「ハイジ アルプスの物語」がおすすめです。ハイジ役のアヌーク・シュテフェンが愛らしい。この映画のスイス人監督は、原作はもちろん、日本のアニメ「アルプスの少女ハイジ」も見ていたハイジファンだそうです。大人でも楽しめる素晴らしい映画です。スイスにご旅行に行かれる前に、ご旅行予定がなくても、DVDなどご自宅で鑑賞してみてはいかがでしょうか?


フランクフルトのゼーゼマン家の食卓 執事のゼバスチャンと教育係のロッテンマイヤーさんがいますね。

ペーターに車椅子を壊されてしまったため、クララを背負うおじいさん

さて、物語の舞台はスイス東部のマイエンフェルトとドイツの大都市フランクフルトですが、映画の撮影地は、ベルギューン(Bergün)。
 聞きなれない村ですが、この村はマイエンフェルトから南に約60キロ、クールとサン・モリッツ間のアルブラ谷にあり、2008年にレーティッシュ鉄道アルブラ線/ベルニナ線と周辺の景観として、世界文化遺産に登録されています。アルブラ線のなかでループトンネルが連続するハイライト区間です。 


チューリッヒからサン・モリッツに列車で行かれる途中、ラントクワルト乗り換えではなくクール乗り換えの列車にのると、ペルギューンを含むアルブラ線のハイライト区間を通りますよ。
 また、氷河急行もこの区間を通過いたします。窓辺から景色をご堪能くださいね。


撮影地ベルギュン(Berg
en)は、レーティッシュ鉄道アルブラ線と氷河急行ハイライトの一つのランドヴァッサー橋から南(サンモリッツ方面)に少し行った所にあります。








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