
エッシャーからインスピレーションを受けたイラスト
エッシャーは1898年にオランダのレーワルデンに生まれ、13歳まで土木技術を学びます。彼は中学校時代の退屈さを「生き地獄」とまで言っています。でも、その退屈さが彼の想像力豊かな作風に繋がったのですね。
中学卒業i後に建築と装飾美術について学び、この頃に生涯の師として仰ぐサミュエル・メスキータに出会いました。彼の勧めで建築学科からグラフィックアート科に転向したエッシャーは自分のスタイルを極めていきます。幾何学的な構成を活かしたメスキータの作風はエッシャーに大きな影響を与えました。

エッシャーに影響を与えたイタリア,アマルフィーの風景
彼に影響を与えたのは恩師だけでなく、オランダとは異なるヨーロッパの景色です。特にイタリア好きだったエッシャーはアマルフィーの断崖絶壁に囲まれた海岸の景色を見て衝撃を受けます。平坦で起伏のない母国との違いに驚いたのです。ここで見た段々畑などの風景は平面を次々と変化するパターンなどにも生かされました。

また、彼がのめり込んで学んだのがスペインの古都グラナダのアルハンブラ宮殿です。この地には度々訪れ、宮殿内部の幾何学模様を丸3日間かけて模写したと言われています。小さい頃数学が大の苦手だったと振り返るエッシャーですが、彼の版画やトリックには幾何学模様にも見られる数学的な構造が見いだせます。
エッシャーは遅咲きの芸術家で50歳頃まで自分の生計をたてられなかった程です。でも、イタリアの風景やアルハンブラ宮殿など…彼の作品はヨーロッパの街並みやデザインによってゆっくりと確立されていきました。今ではその独自の世界は「ジョジョの奇妙な冒険」を描いた荒木飛呂彦などのクリエイター達にもインスピレーションを与えています。
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エッシャーにインスピレーションを受けた階段のイラスト
オランダのハーグにはエッシャーの美術館があります。マウリッツハイス王立美術館のすぐそばに位置し、ハーグ市立博物館の別館です。ここは、オランダ王室が所有していた邸宅を美術館として利用しているので「王室のお宅拝見!」としても楽しめる場所です。
フェルメールの静寂の世界に浸った後でエッシャーの絵に驚く!というように全く異なる絵画の世界を行き来できるのもオランダ、ハーグだからこその旅ですね ♪
☆エッシャー美術館を訪れるツアー
*アムステルダム・ハーグ・デルフトの旅
☆参考
NHK日曜美術館(2019/5/19放送)「エッシャー無限の彼方へ」