不思議な世界遺産:レガレイラ宮殿


 ポルトガルの首都・リスボンから西に28キロほど行ったところに国内でも有数の観光地であるシントラがあります。ムーア人が築いた城跡とその麓の黄色や白、クリーム色など、豪奢な貴族たちの別荘や王室の夏の離宮がとても印象的です。こうした光景をイギリスの詩人バイロンは『この世のエデン』と称賛しました。こうした経緯もあり、このシントラの歴史地区はポルトガルに17ある世界遺産のうちの1つとなっています。
シントラにある世界遺産に含まれているのは、主にシントラ王宮ペーナ宮殿ムーア人の城跡レガレイラ宮殿の4つ。どれも歴史的に大変価値のある建造物ですが、今回はその中でも最も奇抜なレガレイラ宮殿をご紹介します。

 
(山頂に立つペーナ宮殿)

宮殿へは中心部から坂を登って向かいます。途中アズレージョがきれいなムーアの泉やシントラ王宮、ムーアの城の城壁を見上げながら歩くので退屈しません。かれこれ15分ほど歩くと宮殿の入口に到着します。現在レガレイラ宮殿が建っている土地は長きに渡って、王族の別荘をはじめとした何人かの所有者の手を渡ってきました。そして19世紀終わりにはブラジル出身の富豪アントニオ・モンテイロが買い取り、イタリアの建築家ルイジ・マニーニがそれまであった建物に大幅な改装を施しました。現在のレガレイラ宮殿は5階建てで、ファサードはゴシック、ルネサンス、マヌエルなど様々な時代の建築様式が同在しているためにミステリアスな雰囲気に拍車を掛けています。




ですがレガレイラ宮殿の本当の魅力はその不思議な庭園です。庭園の各所に黄金比率や錬金術、テンプル騎士団を表すシンボルが散りばめられているばかりか、深さが60メートルもある井戸へと続く螺旋階段やどこへと続いているのかわからない洞窟や秘密の通路など、どこへ進んでいるのか不安になってくる仕掛けが盛りだくさんです。(入園の際に場内のマップも一緒にもらえます。ご心配なく!)

 

(螺旋階段の中はかなり暗い)

場内はこうした異空間的な仕掛けのおかげでファンタジー世界のような雰囲気になっています。訪れる際にはぜひ、じっくりと時間を取って館内と庭園の両方を攻略してみてください! 








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