ピエト・モンドリアンの作品を楽しめる2つの市立美術館


 ピエト・モンドリアンという画家は知らずとも、モンドリアンが描いた抽象画を一度は見たことがある方が多いはず。今日は抽象画の先駆者ピエト・モンドリアンをクローズアップして彼の絵画や現代美術を楽しめる美術館をご紹介します!


ピエト・モンドリアンをイメージしたイラスト

モンドリアンは1872年にオランダのアメルスフォールトに生まれました。アムステルダム国立美術アカデミーで学んだ後にキュビスムの影響を受けパリで学びます。シンプルなものや抽象画を更に探求していくうちに、「キュビスムのその先」を目指すことになります。

試行錯誤した後に辿り着いたのが、垂直線と平行線の幾何学的な格子状の線による平面に赤、青、黄の3原色から成るコンポジションの世界です。この「新造形主義」に共感した若者達と「デ・スタイル派」を確立していきます。(デ・スタイル派については、➝こちらのブログをご覧くださいね!)


モンドリアンが提唱した直線と3原色から成るコンポジション

今でこそ、こういった抽象画はファッションやデザインの分野にも影響を与えて受け入れられていますが、当時この美術運動を進めていくことの信念や情熱には頭が下がります。彼は、従来の絵の空間や奥行を取り除いた中に、究極の純粋性があると信じていました。

この考え方は、絵本「ミッフィー」を描いたディック・ブルーナのシンプルな線や色使いにも引き継がれていきます。まさにオランダの美術や文化に大きな功績を与えた人です!

《赤い木》(1908年)
デンハーグ市立美術館公式HPより写真抜粋
「Evening ; Red Tree」

彼の3原色から成るコンポジションも魅力的ですが、大学時代からの初期の作品も実に興味深いものです。彼は、ゴッホやスーラなどから影響を受けた風景画を多く残していますが、実はこの頃から既に、赤、青、黄色にこだわって描いています!その一端を示しているのがデンハーグ市立美術が所蔵している「赤い木」です。

他にもモンドリアンの絵画を知ることができるのが下記の2つの美術館です!


★デン・ハーグ市立美術館(Gemeentemusium Den Haag)モンドリアンのコレクションの所蔵では世界一を誇ります。この美術館ではモンドリアンを筆頭に19世紀から20世紀に活躍した近現代の美術家(モネ、ゴッホ、ピカソ、カンディンスキー、エゴン・シーレ等々)の絵画、ファッションやモダンデザインの家具などを幅広く鑑賞できます。

また、注目されている現代アーティストの企画展なども充実しているので、ポストモンドリアンをあなた自身が見いだせるかもしれません!


デンハーグ美術館(建築家ベルラーヘによって建てられたアールデコ調建物)

★アムステルダム市立美術館(Stedelijk Museum Amsterdam)も21世紀初頭までの近現代美術品の所蔵が充実しています。場所はアムステルダム国立美術館やゴッホ美術館のすぐ近く。現在、「パリの移民アーティスト」というテーマでモンドリアン、シャガール、ピカソに注目して彼らの企画展を催しています。(9月21日~2020年2月2日)1900年代に移民としての不利な立場に屈せずに芸術を高めた彼らの偉業を辿ります!

市立美術館と聞くと、「国立」より、少し地味なイメージを持たれるかもしれませんが、現代美術がお好きな方であれば、展示の内容やバランスはとても質が高く、訪れた後の満足感は大きいはずです!是非オランダのシンプルなデザインの先駆者となったモンドリアンの軌跡を知るべく市立美術館に足を運ばれてはいかがでしょう。



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