ポルトガルの代名詞:ポートワインを飲んでみよう


ポルトガルにはユネスコが認定する世界遺産が17もあります。今回のブログではそんな中でも2001年に登録された『アルト・ドウロ・ワイン生産地域』とそこで作られているポートワインについてご紹介します。

このアルト・ドウロ・ワイン生産地域では、自然の地形を上手く使ったブドウの段々畑で有名です。
スペインから続くドウロ川の上流に位置し、大西洋の港・ポルトまで流れています。そしてこの地域は数世紀に渡ってポルトガルの代名詞とも言えるポートワインの生産地になっているのです。







ポートワインはドウロ川の上流・下流の分業によって作られています。1756年にポルトガルは世界に先駆けて原産地呼称管理制度を導入し、ドウロ川の上流のアルト・ドウロで栽培されたブドウのみを使い、ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアとポルトで加工から熟成まですべて行われたワインのみをポートワインであるとしました。


◆ポートワインの特徴

ポートワインの特徴は何といってもラガールと呼ばれる樽で発酵させている最中に、77%のブランデーを追加する工程にあります。こうすることでワインにしては度数の強い20%程度となり、酵母が死滅し、分解されずに残った糖分のおかげで貴腐ワインにも負けない甘味が残るのです。また、瓶詰された時に”20年”というラベルが貼られたら、それは10年と30年熟成を半々で入れて平均20年寝かせた、という意味です。こういったところでもブレンドは大事になってきます。

◆ポートワインと日本

大航海時代が到来すると、ポートワインの需要が一気に高まりました。というのも船に積んでいた普通のワインは、アフリカやインドを超えてアジアを目指していた船の中では数か月ともたなかったから。ですが発酵の途中でブランデーが加わったポートワインは長くもち、フランシスコ・ザビエルが織田信長と面会した際に、このポートワインが入った樽を献上していたそうです。その後明治維新が起き、海外のワインを日本に広めようとした壽屋(現サントリー)が売り出したのは”赤玉ポートワイン(現:赤玉スイートワイン)”でした。


◆分類

ポートワインは大きく3つに分けることができます。

ルビー・ポート:樽で3年ほど熟成される、主に黒ブドウを使用。

 

トゥニー・ポート:上のルビー・ポートを樽で10年以上熟成させたもの。

  名前の由来は酸化で黄褐色(トゥニー)になることから。


ホワイト・ポート:樽で4年ほど熟成される、白ブドウのみを用いたもの。

 

この3つから更に細かく分かれますが、特に作付けが良い年にはドウロポートワイン協会(IVDP)という団体から承認されて、その年の特に優れたブドウだけを用いた複雑な香りと甘さを持ったヴィンテージ・ポートが作られます。

長いものになると半世紀も熟成されているものもあるそうなので、現地を訪れた際には是非このヴィンテージ・ポートにもトライしてみたいものです。


◆キンタに行ってみよう

ポルトガル語で農園はキンタ(Quinta)。ドウロ渓谷にあるブドウ農園は段々畑になっているため機械が入りづらいため、人がひと房ずつ摘み、人の素足で葡萄を踏みつぶして圧搾しています。収穫時期であれば観光客も参加でき、ワイナリー:キンタ・ダ・パチェカでは大きな石の容器の中に沢山の人が入って、歌いながら圧搾をするそうです。

こうしたワイン作りが体験できたり、キンタに併設された民宿に泊まれたりできる施設も登場しています。古い歴史を誇るキンタに泊まってみれば、ワインのエキスパートたちが食前の白ポートから食後の赤ポートまで、食事に合ったワイン選びをしてくれますよ!




泊まる時間はないけど、少しでも空気を味わいたいという方には、

ポルトから電車でレグアまで行き、ドウロ川クルーズに酸化して見るのもおススメです。船上で食事やワインを楽しんだり、途中ワイナリーに立ち寄ってテイスティングをし、お土産用のワインを吟味してみましょう。

また、夏の期間限定でレグアからトゥアまで観光列車を走らせています。この路線は元々収穫したブドウをポルトまで運んでいた路線で、車内ではワインはもちろん音楽隊の演奏などでも盛り上がりますよ!


ポルトを訪れた際には是非、本場の味を試してみて下さいね!








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