王妃が愛した村


「谷間の真珠」「中世の箱庭」の別名を持ち、その美しさから歴代の女王の直轄地として保護され、現在までその美しさを残しているのがオビドスです。
首都リスボンから日帰りで観光もできるこの村の魅力を今回のブログでお伝えします。


現在人口800人程度の村の歴史は意外と古く、紀元前300年ごろにまで遡ることができます。ローマ時代に海から外敵の侵入を妨げるために造られたのが起源で、その後支配者がイスラーム教徒やムーア人からポルトガルへと移り変わりました。

1288年に当時のポルトガル王デニス1世と王妃イザベルが新婚旅行でこの村を訪れた際、王妃が大変気に入ったことから王がこの村を王妃にプレゼントしたことがきっかけで、それ以降大切に守られてきました。

 

ポルトガルの王室がなくなった現在でも、中世の雰囲気がよく保存された絵画のような村として年中観光客で賑わっています。あまり大きな村ではありませんが入り組んだ路地を探検してみましょう!


また、オビドスには一年に3つの大きなお祭りが開かれます。3月には春の訪れを感じさせるチョコレート祭り、7月には中世のお祭り、12月には町がクリスマスタウンに変貌します。こうした時期に合わせて現地を訪れてお祭りの雰囲気を味わってみるのもいいかもしれませんね!






◆ポルタ・ダ・ヴィラ

バスでオビドスに到着したら、まずはポルタ・ダ・ヴィラという大きな城門をくぐります。この城門自体は14世紀にイスラーム教徒が造り、ジグザグ構造によって敵の侵入を妨害するようになっています。アーチの上部には18世紀に作られた聖書の一場面を描いたアズレージョが観光客を出迎えます。


◆城壁

オビドスを囲む城壁へは、ポルタ・ダ・ヴィラやポサーダ脇など5か所にある階段から上ることができます。全長で1.5キロあり、全体を周っても40分あれば見終わります。城壁自体一番高いところは13メートルあり、外側には石壁がありますが、内側は手すりもないので上って歩く際には、お気をつけて。


◆ディレイタ通り

門から城壁内に入ると道が二本に分かれていて、左側がメインストリートとなるディレイタ通りです。一番奥のオビドス城まで両側に白壁の家が立ち並ぶ石畳の道が続きます。止まらずに歩けば10分程度で歩き切ってしまえるような道ですが、雑貨や陶器を取り扱うお土産屋さんがあちこちにあるので、ゆっくりとお気に入りのものを探してみるのもいいかもしれません。







そしてオビドスのお土産として欠かせないのが、さくらんぼを漬け込んだ果実酒:ジンジャ(Ginjas)。アルコール度数はワインよりちょっと高めの18~20%で、瓶も種類が豊富なお土産用なので持ち帰るのも簡単です。ジンジャ以外にも可愛い陶器類や雑貨が人気です。


◆サンタ・マリア教会

ディレイタ通りを歩いてサンタ・マリア広場に到着すると、正面にシンプルな白い教会が目に入ります。これがサンタ・マリア教会です。ロマネスク様式の教会の内部は素朴な外装とは一転して祭壇を取り囲むようにアズレージョで覆われています。その上に主に聖母マリアをテーマとした絵画や天井の素晴らしいフレスコ画、祭壇のイコン画など荘厳な内装です。

この協会は1444年に当時まだ10歳だったポルトガル国王アフォンソ5世がいとこで8歳のイザベラが結婚式をあげた教会でもあります。







なおサンタ・マリア広場の中心にあるペロウリーニョという石の柱はかつて罪人を晒した柱でした。棒の真ん中にあるくぼみは吊り下げた跡だそうです。


◆オビドス城

ディレイタ通りを突き当りまで進むと、オビドス城に到着です。この15世紀の古城は現在、歴史的な建造物を改装したポルトガル国営のホテル『ポサーダ・カステロ・デ・オビドス』として非常に人気のホテルへと生まれ変わっています。あまり広々としたホテルではありませんが、シックな内装やアンティークが格調高い空間を演出しています。また、宿泊はしなくても同じく人気のあるレストランで雰囲気を味わうことができます。


このホテルに宿泊すると、ホテルの宿泊者限定の城壁に上る道を利用できます。あまり部屋数がないのがネックですが、王妃が愛した村を特別な場所から眺めたい方は是非ご検討ください。


◆アクセス

リスボンからバスで約1時間なので、リスボンから日帰り、リスボンからポルト、コインブラに移動する途中に立ち寄ることも可能です。








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