マラケシュ旧市街の観光名所


 マラケシュはモロッコの中心、サハラ砂漠の西に位置するかつての王都です。

ベルベル語で「神の国」を意味するマラケシュは新市街とメディナと呼ばれる旧市街に分けられ、旧市街は11世紀から長い歴史を誇る街で、その歴史から1985年に世界遺産に登録されています。


11世紀にムラービト朝がマラケシュを都とし、モスクや霊廟などが造営されました。次のムワッヒド朝もマラケシュを都として、現在も残るクトゥビーヤ・モスクや旧市街のシンボル的存在のミナレットが建てられました。その後も19世紀のアラウィー朝時代にはバイーヤ宮殿などが建てられました。


マラケシュ旧市街は東西2.5kmと南北7kmほどを登録範囲とする世界遺産で、かつては学問・政治・経済の中心地として繁栄しましたが、今日では観光業が街の一大産業となっています。街の観光名所は北部に集中しており、スークでお土産を選ぶもよし、タジンなど伝統料理を楽しむもよしです。


◆ジャマ・エル・フナ

旧市街の中心にあり、「死人の集会所」というちょっと物騒な名前の広場は、昔に公開処刑が行われていたことからこの名前がつけられました。

現在ではそんな暗い歴史とは裏腹に、ケバブやクスクス、タジンなどを出す多くの屋台がひしめき合い、蛇使いなど、大道芸人たちがいたるところで各々の芸を披露しています。そんな活気溢れる市場であるため、「ジャマ・エル・フナ広場の文化空間」として無形文化遺産に選ばれています。モロッコの雰囲気を感じるには絶好の場所で、特に夜中には旅行者と地元の人で賑わいます。


◆市場(スーク)

ジャマ・エル・フナ広場の北と東に縦横無尽に広がる広場で、有名な絨毯や革製品、金銀細工、陶磁器はもちろん、お土産向
けな小物から地元の人も足を運ぶ食料品まで揃っています。物色に夢中になっているとすぐ迷子になってしまいます。

商品の値段もまばらで値段交渉もできます。昔から交易都市として栄えたマラケシュの市場の規模は世界最大とも言われているので、訪れた際には是非お気に入りの一品を探してみて下さいね。





◆クトゥビーヤ・モスク

1147年にムワッヒド朝によって建てられたクトゥビーヤ・モスクはマラケシュ最大のモスクでした。併設された珍しい方形で高さ69mもあるミナレットは西方イスラーム圏のミナレットのなかでは最も美しいものだとされ、四方の壁の装飾が別々なものであることと合わせて旧市街のシンボルになっています。







◆アグノウ門

マラケシュはムワッヒド朝時代に城郭都市として整備され、旧市街を取り囲むように19の門があります。なかでもアグノウ門は巨大で、馬蹄型のアーチと赤い砂岩が特徴的。コーランの一節が掘りこまれており、19ある中で最も美しい門だとされています。




◆バイア宮殿

広場から歩いて10分ほどのところにある、白い壁とタイル張りの床や天井が美しい宮殿です。19世紀後半のスルタン・ハサン1世の宰相が4人の正室と24人の側室と共に住んでいたと呼ばれる宮殿です。中央に王の宮殿があり、中庭を囲むように女性たちの部屋が置されています。7年の歳月を掛けて完成した宮殿のところどころに施された装飾は必見です


◆ベン・ユーセフ・マドラサ

12世紀に建設されましたが倒壊し、16世紀のサアド朝時代に再建されたイスラム神学校(マドラサ)です。アラベスク、カリグラフィー、ムカルナスをはじめアラブ=アンダルシア地方のイスラム芸術の最高峰を堪能できます。


◆サアド朝墳墓群

16世紀のサアド朝のスルタンと貴族ら約60人が埋葬された霊廟です。その後アラウィー朝の時代に壁で囲まれたため、その後の混乱の中で忘れ去られましたが、20世紀に入って空撮によって発見されました。墳墓内の鮮やかな象嵌装飾・彩色タイル・モザイクで彩られた内装は必見です。










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