ゴッホが追い求めた南仏の風景


 この秋、日本ではゴッホがブームになっています。上野では「ゴッホ展」、時を同じくしてゴッホの半生を描いた、映画「永遠の門 ゴッホの見た未来」も上陸しました。ゴッホをこの映画で知ると彼が求めた南フランスの光を探しにいきたくなります!


「永遠の門 ゴッホの見た未来」GAGA 公式HPより写真抜粋(https://gaga.ne.jp/gogh/

映画は芸術家ゴッホの視点から描かれています。
「永遠の門」を小さな映画館で見たせいか、揺れるカメラワークに酔ってしまった私です。が、映像の演出を気にしなければ、ゴッホが追い求めた南仏の景色はなんともいえず美しく印象的でした。そして、主演のウィレム・デフォーはゴッホ自身が描いた自画像にそっくりです!

今まで、ゴッホは精神的に不安定な面や苦悩がよく取り上げられていて、「生前は絵が一枚しか売れなかった」ということも心が折れそうなエピソードでした。でも、この映画の中では、思い通りにいかないことはあれど、ゴッホは世間の評価を気にせず、活きいきと愛する南仏の風景を描いています。


糸杉とひまわり

ゴッホは屋外に積極的に出て行って、歩いて歩いて風景に飛び込みます。時には、広大な麦畑を掻き分けたり、丘に登って太陽に近付いたり。大地に寝そべって自然と一体になったこともありました。そして、又画材を取り出し黙々と描き始めるのです。その姿はただただピュアな少年、風景や自然に溶け込み幸せそうな姿でした。



どこまでも続く麦畑は日本ではあまり見られない風景です。こんな風に青あおとした季節も美しいですし、映画のような黄金色に輝いて揺れる麦穂の波も圧倒されます。ゴッホの眼に映る美しい世界、彼はなんとしても表現したいとカンヴァスに向かいました。

もちろん、ゴッホの幸せそうな絵を描く場面ばかりではなく、ゴーギャンとの波乱の共同生活や弟テオの献身的な支え、最期の場面まで、新しい視点で描かれていますが、その点はネタバレを避けるために内緒にしておきます!


アルルのどこまでも続く麦畑

ゴッホによって描かれたアルルの跳ね橋(後に再現)

ゴーギャンと別の道を歩み出し、精神を病んだゴッホはサン=レミ=ド=プロヴァンスの修道院に隣接した病院で1年間を過ごします。この修道院の回廊の2階は病院の歴史を伝える展示会場になっていて、
ゴッホが住んでいた病室も再現されています。彼は自分のアトリエを与えられ、外に出て絵を描くことを許されていました。

この時期も「星月夜」や「アイリス」「二本の糸杉」などの秀作を残し、精力的に絵を描いていました。アイリスの時期が終わっても、ラベンダーの季節も大変美しい場所です。また、アルルには彼が描いたカフェテラスやオリーブ畑なども当時のままに残っています。


ゴッホが療養のために過ごしたサン・ポール・ド・モゾール修道院(サン=レミ=ド=プロヴァンス)

ゴッホは、同時代に生きた人々に評価されずとも、南フランスの光の中で「未来の人々のために、神は私を画家にした」と思い至ります。後世に生きる私達がゴッホの絵に突き動かされて南仏に行きたくなったり、自然の中に顔をうずめたくなったりすることがゴッホの幸せに繋がるのでは。。。と思い、ほっこりしたのでした。

☆ゴッホの見た景色を辿るツアー

☆プロヴァンス地方|美しい村々と世界遺産を訪ねる3日間

*このブログではあまり触れていませんがゴッホの終焉の地(オーベル・シュル・オワーズ)を巡るノルマンディー地方のツアーもあります。↓↓↓
☆印象派の画家たちを魅了したノルマンディー、7日間の旅















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