ロシアの一風変わった建築物


今回はロシア国内にある、アヴァンギャルド期のすこし変わった建物をいくつかご紹介していきます!

1.シューホフ・タワー(Шуховская башня)
1922年にウラジーミル・シューホフによって建てられた電波塔で、ソビエトに変わった国の新たな象徴でもありました。
鋼材を格子状に組み合わせた双曲面構造で作られた建造物で、積雪時に雪が積もりにくかったり、構造が強靭などさまざまなメリットがあるそうです。
当時の物資不足により、当初予定では350mの高層タワーになる予定でしたが結局は160mにおさまってしまったようです。
同じ設計者の設計では、モスクワのГУМ(グム)百貨店のヴォールト(アーチ型の天井)やキエフ駅のプラットフォームなどがあるそうです。



2.メリニコフ邸(Дома Мельникова) ロシア・アヴァンギャルド期の巨人の1人、コンスタンチン・メリニコフが自ら設計した邸宅。
1929年というメリニコフが絶頂期だったときに作られた傑作です。二つの円筒形の建物が融合し、六角形の窓が均等間隔で並び、外壁も真っ白なモルタルです。革新的な発想で、当時の人を驚かせたといいます。



3.ズーエフ労働者クラブ (Дом культуры имени С.М.Зуева)
”労働者クラブ”とはソビエト時代の文化施設の名称であり、プロレタリアートを教育し、教化する目的で建築されました。
1927年から1928年にかけては労働者クラブの建設ラッシュが起こり、コンペや当局による検閲を免れたユニークな建築がいくつも出現し、この労働者クラブもそのうちのひとつです。 
ガラス張りのシリンダーと直方体の組み合わせがユニークで、中には螺旋階段が通り、2階の大ホールへと続いています。

これらはいづれも1910年代から30年代にかけてロシアで流行した”構成主義(ロシア・アヴァンギャルド)”として流行したものです。
最後には、スターリンによる抑圧や人気がなくなったことで時代の波に消えていきました。

モスクワ市内には上で紹介したような建築の他にも、
地下鉄ルビャンカ駅の近くにも革命詩人・マヤコフスキーの住居を改造したマヤコフスキー博物館など、前衛芸術好きにはたまらない博物館も幾つかあるので是非訪れてみて下さい。









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