ヨーロッパ旅行でちょっと秘密⁉︎の晩餐会 -サパークラブ-



秘密の食事体験を求めて都市の地下へ

ロンドンやパリ、ベルリンなどヨーロッパ旅行をする中で、本物の食事を体験し、地元住民にも出会える新しい方法がある。サパークラブと呼ばれるポップアップ式のレストランだ。これらのサパークラブの一部はメディアに取り上げられて広く知られているものもあれば、その他の多くは都市のアンダーグラウンドに潜む。中には経験豊富な本物のシェフたちが、商業主義とは無縁の世界で極上のおもてなしとともに晩餐会をホストする。

 

もともと若手のシェフやアマチュア料理家が、空き店舗などを利用して試験的にレストランを開き、料理の腕前を披露する、あるいは人脈をつくるために生まれたポップアップレストラン。現在はソーシャルメディアの進展とともにその認知度も高まり、社会活動や社交の場としても注目される。会場やシェフがその時々によって異なる、この移動式レストランに、いま新たな刺激を求めて参加する人も増えているという。

 

人は何故サパークラブへ行くのか

ポップアップレストランは、まさに神出鬼没でアンダーグラウンドの世界。この隠れたキッチンに行くほとんどの人は、旅行者が新しい何かを求めて旅するように、ユニークで創造的な食事を求めて冒険の旅に出る。有名レストランや、地元のレストランでは味わうことのできない料理とホスピタリティ、新しい人との出会いを求めて参加する。そのタイプは様々だが、心のこもったおもてなしと、異なる世界の人々との交流を楽しむことができるのがその魅力のようだ。

 

ポップアップレストランの最もクールな側面は、マンションの屋上や教会の中、空き地など、思いもかけない場所で美食とクリエイティブなひと時を体験できること。もちろん既存のレストランや、アパートの一室での開催もあるが、その都度、場所を変え、趣向を変えて行われる変化に富んだイベント性も大きな魅力の一つだ。中にはシークレットサパークラブとして仲間内だけで行われるものもあるが、旅行者にも開かれたサパークラブも存在するのでオープンで安全な夕食会には、足を運んでみる価値はありそうだ。

 

サパークラブはソーシャルクラブ

サパークラブはプロのシェフが自身の創造性を広げ、料理の評判を築くために行われる側面もある。実際にポップアップレストランから有名になり、本物のレストランを構えるに至るケースもある。またサパークラブは一種の社交の場の一つ。中には芸術家やクリエイター、編集者などの他、有名人が参加するクラブもあるだろう。様々なジャンルの人が一堂に会し、隣の席に座った人と意気投合することもあるかもしれない。

参加方法はもっぱらソーシャルメディアやWEBサイトを通してということになるが、面白そうなサパークラブを見つけたら、イベントなどの動向をチェックして、イメージと予定が合えば次回のヨーロッパ旅行の際に参加予約を入れてみるのもいい。料金体系は、お酒を持参するスタイルや、寄付金として支払うスタイルなど、フレンドリーなものから、ちょっと贅沢なものまで様々あるので予算に合わせて決めることができる。

 

ヨーロッパの都市のアンダーグラウンドシーンで催されるサパークラブを見つけるのは難しいが、その中でも有名なものをピックアップしてご紹介したい。それぞれフェイスブックなどのソーシャルメディアも展開されているので、興味があれば更に深堀りしてほしい。

 

JIM HAYNES

アメリカ出身のジムヘインズは、パリのサパークラブのゴッドファーザーともいえる人物。彫刻スタジオだった自身のアトリエを利用して30年以上にわたりパリで毎週日曜日に夕食会Sunday Dinnerを催し続けている。毎週、異なるシェフが料理を準備するカジュアルな社交クラブ。彼にとって旅の目的とは人に会うこと。観光地へ足を運ぶことよりも、これまで会ったこともない新しい人に出会うために旅をするという。彼自身が旅人であることもあり、このサパークラブはいつも旅行者に開かれている。

http://www.jim-haynes.com/

 

Verjus

以前はパリのアパートでHidden Supper Clubという隠れキッチンを営んでいたアメリカ人カップル ローラとブレーデンによって開かれたロマンティックなレストラン。豊富な料理経験を持つ2人が開いたサパークラブは人気を博し、いまやお洒落なレストランを構えるに至った典型例。パリ パレ・ロワイヤル裏手のヒップなエリアに位置するVerjusは、かつての隠れキッチンのようなホストのおもてなしとともに、ハイエンドな料理とワインで上質な食事の時間を提供してくれる。市内でも指折りのフライドチキンは勿論のこと。

http://verjusparis.com/

 

Thyme Supperclub / Muse

ベルリンのサパークラブシーンをけん引してきたThyme Supperclub。イングランド出身のキャロラインの料理と、トバイアスのホストで始まった小さなサパークラブは、地元住民や観光客の支持を受け、当初の2人の意図を越えて拡張することに。現在はベルリン ヴィンスヴィーエテルにてMuseというプロジェクトでレストランを営業する傍ら、毎月1度は特別ゲストシェフを招いたサパークラブが開かれる。長テーブルを囲む旧来のアットホームなスタイルで刺激的な食事を味わうことができる。

http://www.museberlin.com









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