スイスが誇るパノラマ列車 *ベルニナ・エクスプレス*


 スイスが誇るパノラマ列車の1つベルニナ・エクスプレス
スイス最古の町ともいわれるグラウビュンデン州の州都クール(Chur)からイタリアのティラーノ(Tirano)までを結ぶ路線です。メインとなるルートはサンモリッツ~ティラーノ間。この区間はベルリナ線として周辺の景観と共に世界遺産にも登録されています。

サンモリッツからティラーノまで約2時間半。2時間半の間で、高低差1,800mの起伏に富んだルートを走ります。ウィンタースポーツの聖地スイスのアルペンリゾート、サン・モリッツから陽気なイタリアへ。様々な移り行く景色を楽しめるのが最大の魅力です✨

(※パノラマ車両は座席指定必須ですが、実は全く同じ区間を普通列車も走っています。
車窓からの景色をゆったりと楽しむにはもちろんパノラマ車両がおすすめですが、途中下車し、街の散策を楽しみたい方は普通列車に乗るのも◎ また、パノラマ車両は窓の開閉ができません。車内から写真を撮ろうとするとどうしても反射してしまいますので、写真をがっつり撮りたい方はあえて普通列車を選ぶのも手かもしれません。)


<パノラマ車内のご紹介>
今回は、パノラマ車内の様子をご紹介したいと思います。

↑一等パノラマ車両。窓が大きいので、右側・左側どちらに座っても、両側の景色を眺めることができます。座席も広々としていて乗り心地も◎です。



↑車内ではベルニナ・エクスプレスやスイスアルプスに関する本の貸し出しも📖多くはドイツ語(または英語)ですが、写真集なんかは眺めるだけでも楽しい。


↑トイレも完備。内装にもこだわっています。


↑4人掛けBOX席のテーブル。窓側にある矢印ボタンで、遮光カーテンの開け閉めができるようになっています。車内ではスナックや飲み物の販売もあります。コーヒーやソフトドリンクはもちろん、ワインやビールも楽しめます。



↑車両の両端には荷物置き場があり、スーツケースを持っての乗車も安心です。



<ベルリナ線の見どころ>
サン・モリッツを出発すると、まずは雄大なモルテラッチ氷河やカラマツの美しい森・滝が見えてきます。最高地点であるオスピツィオ・ベルニナ(標高2253m)に向けて列車はゆっくりと坂を上っていきます。サン・モリッツ出発から約30分後、進行方向右側に見えるのはラーゴ・ビアンコ湖(Lago Bianco)。”白い湖”という意味を持つ山上湖で、カンブレナ氷河から溶け出る水が注ぐ水色とも乳白色ともいえる美しい湖です。強い浸食作用を持つ氷河の溶け水が流れ込むために水が白濁して見えるそう。不思議な色の湖に目を奪われてしまいます。

※ちなみに、スイスの景観列車としてもう一つ有名なのが氷河急行ですが、銀色に輝く氷河は、実は氷河急行からは見えないって知っていましたか…?昔はフルカ峠付近で「ローヌ氷河」が見えたことからこの名がついたのですが、1982年に通年運行確保のためフルカ峠をトンネルで越えるようになったため、現在ではローヌ氷河を車窓から望むことは出来なくなっています。

”白い湖”ラーゴ・ビアンコ湖を通り過ぎ、サンモリッツ出発から約40分ほど経った頃、列車は途中アルプ・グリュム(Alp Grüm)で一旦停車します。通常20分ほどの停車時間に皆、車両から外に出て写真タイムです📷奥にイタリアへと続く谷のパノラマ、正面に雄大なパリュ氷河とターコイズ色のパリュ湖といった美しい眺望が広がります。



オスピツィオ・ベルニナ駅(Ospiyio Bernina)前から、アルプ・グリュムまではハイキングコースにもなっていますので、湖畔沿いの絶景をより堪能したい方はハイキングもおすすめです。アルプ・グリュム駅にはレストランも併設されています🍴(*テラス席もあり)


↑アルプ・グリュム駅のレストラン。ベルニナ線を走らせるレーティッシュ鉄道と箱根登山鉄道は姉妹提携を結んでいるため、たまに日本語を見かけます…!


さて、アルプ・グリュムを過ぎると列車はゆっくりと1000mほど標高を下り、イタリア語圏に突入です。言語が変われば景色も変わる。車窓から見る森の景色は、いつの間にか針葉樹から広葉樹の風景に変わっています。

イタリア国境沿いにある静かな町ポスキーアヴォ(Poschiavo)を過ぎると、今度は進行方向左側に鏡のような湖面が山々を映しとる美しいポスキアーヴォ湖(Lago di Poschiavo)が見えてきます。ポスキアーヴォ谷の真ん中に位置する自然の貯水湖です。澄み切った湖に映る山々が印象的。


ポスキアーヴォ湖を過ぎるとベルニナ急行のクライマックス、360度のループ橋があるブルージオ(Brusio)へ。世界でも類を見ない360度ループの石橋は、昔からの道路や農家の耕作地を守りながら、最後の高度を調整するためにつくられました。長さ約142.8メートル。ぐるっと一周し、約10メートル下ります。ループ橋と赤い列車をカメラに収めるため、乗客はみな一斉に右と左の窓へ行ったり来たり…!



イタリアの国境となるカンポコローニョ(Campocokogno)の駅を抜けると終点、ティラーノへ到着です。電車で国境を越える。ヨーロッパでは当たり前にできることですが、やっぱり何だかわくわくします!朝9時台の列車に乗ると、ティラーノに到着するのがちょうど12時頃。到着後は美味しいイタリアンを満喫しましょう😋


↑ティラーノ駅前の風景。RISTORANTEの『E』が傾いたままなのもイタリアっぽい?!

夏期には、ティラーノでベルニナ・エクスプレス・バスに乗り継ぎ、コモ湖を通ってスイス・イタリア語圏のルガーノまで更に足をのばすこともできます。ティラーノ→ルガーノまでのベルリナ・エクスプレス・バスは進行方向左側にコモ湖の景色が広がりますので、左側の座席を確保しましょう🚍!

たった2時間半あまりで高低差約1800mの起伏あるルートを走り抜くベルニナ線。移り行く景色からスイスの様々な表情を感じることができます。大自然と素朴な町並みを楽しむ鉄道の旅をスイスで満喫しませんか?

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