ギリシャヨットクルージングの魅力とは?-エーゲ海冒険旅行<前編>


日本ではまだ馴染みの薄いヨットクルージングツアーを体験する機会を得ましたので、ヨット初体験ですが体験記をお伝えします。舞台はヨーロッパの起源ともいわれるエーゲ海の群島国ギリシャです。

ギリシャはバルカン半島の南端に位置する国で、地中海の中でも大小2500以上もの島々が密集するエーゲ海とイオニア海に面しています。地図を見ていてもエーゲ海の島々を抱えるような形で非常に特徴的。

ヨットで島巡りとなると俄然これらの島々に注目がいくようになります。ヨーロッパでヨットクルージングなんてお金持ちのための遊びというイメージですが、実際のところどうなのでしょうか?

実は手軽でお得なヨットツアー
日本ではまだあまり知られていないかもしれませんが、ギリシャをはじめ南ヨーロッパの国々ではヨットを持っていなくても、スキッパー(船長)付きでヨットをチャーターし、バカンスや週末を利用して家族や仲間とクルージングを楽しむという文化があるのです。

費用的にも、その他の海外旅行とそれほど変わらない料金で楽しむことができます。なぜなら、移動や宿泊、炊事をヨットで賄うからです。ヨットは動くホテルになるので、贅沢をしなければ思いのほか安く素敵な思い出を創ることができます。

家族や友人と自炊パーティ、デッキの上で日光浴、夏であれば綺麗な海をシュノーケリングと、一生に一度とは言わず何度でも体験したいオススメ冒険旅行ツアーなのです。
チャーターヨット
出発前日の夕刻にヨットに乗り込む
実は広々快適なヨットの船内
今回のヨットは50フィートを超える大型クルーザーヨット。ギリシャエクスプレスが提携するMGヨット社は、ギリシャチャータヨットのリーディングカンパニーでヨットやクルーザーを多数所有する頼れる女社長の会社です。スキッパーさんもいかにもギリシャ人らしい白髪の海の男で頼もしいかぎり。

船の内部は、4室(内3室はトイレ兼シャワー付き)、広々リビング&キッチン、ガスコンロ2口、冷蔵庫2つ、脇に二段ベット室を備えたもの。各室のベッドはダブルサイズなので8人がゆったり泊まれるほどの大きさです。今回は4人+スキッパー1人を合わせた5人の乗員だったのでチャーターヨットとしては広過ぎるくらいの居住空間です。

ちなみに、スキッパーは船の先端にある別室(デッキの上窓から入る)に寝泊まりします。スキッパーも旅の仲間の一人ですが、基本的にキャビンの中を通り抜けしない設計になっているのでプライバシーが心配という方も大丈夫です!各室はトイレ兼シャワーもあり部屋ごとにプライバシーは確保されているので安心です。
ヨットキャビン
メーンキャビンのリビング&キッチン。奥にシンクとコンロ、手前は冷蔵庫

自炊生活の旅がラグジュアリー?
船に入って最初にすることと言えば、ベットメーキングでしょう。シーツは替えも用意されているので途中で取り替えるなど各自で行うことになります。船内は数日お世話になる生活の場となります。炊事から身の回りの整理や掃除は基本的に自分たちで行います。一見ラグジュアリーなイメージのヨットクルージングツアーですが、実際はいかがでしょうか。

豪華客船クルーズや豪華ホテルの至れり尽くせりの旅とは違い、キャンプ感覚に近い冒険旅行がヨットクルージングツアーといえると思います。ヨットの旅では快適で刺激的な時間を自分たちで創り出すのが、その楽しみの一つのようです。
ヨット寝室
光も差して明るいヨット船室のベッド

アテネ-イドラ島-ポロス島-エギナ島-アテネ

アテネにあるカラマキマリーナのヨットハーバーは大きなもので、横浜ベイサイドマリーナとほぼ同程度の大きさを誇ります。人口
1000万人のギリシャにしてみればヨット人口はかなり多いと想像されます。多島海の群島国ならでは、エーゲ海は地形的にもクルージングに適した絶好のスポットなのでしょう。 

今回の渡航ルートは、最初にアテネから60kmほど南に位置するイドラ島まで一気に下りて、翌日は北へ約15㎞のポロス島へ、最終日はそこから更に北へ約20㎞エギナ島を経て、また北のアテネまで戻る3日間行程となります。

初日はアテネ観光、アクロポリス散策を終えた後、夕刻からヨットに乗り込みます。近くのスーパーで船旅の買い出しをし、出発前の準備を整えて、その夜は停泊したヨットに宿泊します。船旅3泊+前後ハーバー2泊のすべてヨット泊です。ヨットツアーではトイレ・シャワーに一部不便を感じる部分もあるはずなので、途中や最後にホテル泊を加えてもよいと思います。

1日目アテネカラマキマリーナを出港

翌日は朝7時から出航です。天気も快晴で抜群のヨット日和となりました。季節は11月初旬だったので朝晩は少し冷えますが(10弱位)、日中は暖かく1520位まで上がります。沖に出ると海上は冷えますが、日が差している時は暑く感じるくらい、逆に雲に日が隠れると肌寒く感じます。

気温的には11月でもヨットツアーは可能ですし、むしろ汗をかかないので快適です。さすがに海で泳ぐことは躊躇しますが、夏場であれば紺碧の海でシュノーケリングを楽しむことができます。ただし夏場のハイシーズンは港が大変込み合うのと料金も高いので、10月や11月はオススメの時期といえると思います。

ギリシャでは秋冬は雨季にあたり11月は雨も降りますが、365日のうち65日が雨といわれるくらい雨が少ないのです。雨が降ったら恵みの雨といえるかもしれません。
アテネ港出航前
出発前のアテネカラマキマリーナ

アテネを出発、セールアップ

アテネを離れて沖に出ること30分、スキッパーの指示のもとヨットのセールアップです。筆者もマストの下にスタンバイし、メーンセールのロープを一所懸命に引っ張ります。。セールアップはまさに冒険の始まりという感じ、ピンと帆を立てていざ出発!

後ろを振り向けばまだアクロポリスの丘のパルテノン神殿が小さく見えています。エーゲ海に浮かぶ島々を臨むと、ギリシャ人が海洋民族だったことにうなずけるはずです。ギリシャの島々は大小合わせて2500以上、この群島を移動する手段はもっぱら船なのです。

デッキの上を移動して景色を見まわしたり、食事の準備をしたり、思い思いに5時間程のクルージングを楽しむと、最初の目的地イドラ島が見えてきました。ヨットで港に近づいていく光景はスローモーションのように映り、何とも言えない旅情を感じる瞬間です。
セールアップ
メーンセールをセールアップ

1つ目の島、旅情を誘うイドラ島

小さな入り江、人と犬が歩く姿、鐘の音、イドラ島は牧歌的な風情を感じる程のよさが魅力。自動車は走っておらず、代わりにロバが物資を運びます。こうしてアテネを離れてすぐ近くの島々でさえ、ほとんど昔と変わらない姿を残し、古代とあまり変わらないような情景を目にすることができます。

確かに観光地化された島には高速艇や飛行機が行き来するので、時間のない現代人にとっては手っ取り早くギリシャの人気スポットを巡るのが効率的かもしれません。しかし、その他多くの小さな島々への移動は船となり、クルージングツアーだからこそ巡ることができる場所があり、感じることができる体験があるのです。

古代ギリシャ人が感じていた海、大切な船、島への愛着など、その心の琴線に触れることができると思います。

ギリシャヨットクルージングの魅力とは?-エーゲ海冒険旅行<後編>

プライベートヨットで巡るギリシャの島々ツアーを見る

イドラ島ロバ
イドラ島ではロバが移動の手段
イドラ島の港
高台からイドラ島の港の眺め








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